どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年1月2日(月)新発売、エースコックのカップ麺「お取り寄せNIPPON 北海道産花咲ガニだし醤油ラーメン」の実食レビューです。
全国各地の “こだわり素材” を使った本格的な味わい「お取り寄せNIPPON」の絶対的センター「花咲ガニ」が四代目に突入!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
お取り寄せNIPPON 北海道産花咲ガニだし醤油ラーメン
お取り寄せNIPPON(おとりよせニッポン)とは、全国各地の “こだわり素材” をテーマにエースコックが展開している縦型カップめんシリーズで、2021年(令和3年)6月28日発売の「北海道産花咲ガニだし使用 醤油ラーメン」及び「愛媛宇和海産真鯛だし使用 塩ラーメン」を皮切りに発足。お取り寄せグルメの中でも人気が高い「蟹」と「鯛」に着目し、第1弾から評判は上々、好調なスタートを切りました。
このページでレビューする「お取り寄せNIPPON 北海道産花咲ガニだし醤油ラーメン」は、お取り寄せNIPPONの第4世代に該当する商品で、今回から2つの新フレーバー「静岡駿河湾産桜えびだし塩ラーメン」及び「京都産京鴨だしうどん」が追加されているのですが、記念すべき第1弾から常にラインナップされているのが絶対的センターの花咲ガニ。
第1弾は前述した「北海道産花咲ガニだし使用 醤油ラーメン」と「愛媛宇和海産真鯛だし使用 塩ラーメン」からのスタートで、通年販売ではなく期間限定の枠組みだったのですが、本格的な味わいからネット上で話題になり、2022(令和4年)1月4日に「北海道産花咲ガニ」及び「愛媛宇和海産真鯛」が復活、並びに新商品の「愛知県特産名古屋コーチンだし使用 醤油ラーメン」を市場に投下。
その後、2022(令和4年)7月25日のラインナップ更新(第3世代)で「愛媛宇和海産真鯛」と「愛知県特産名古屋コーチン」は製造終了となり、ニューフェイスの「富山県産白エビだし使用 塩ラーメン」と「宮崎県産霧島黒豚だし使用 豚骨ラーメン」が追加されるのですが、引き続き「北海道産花咲ガニだし使用 醤油ラーメン」だけは連投で、2023年1月更新の第4世代にバトンが渡ります。
あらためまして花咲蟹(ハナサキガニ)とは、生息域が狭いこと、また漁獲量が制限されていることから “幻のカニ” とも呼ばれている希少価値の高いカニで、分類は十脚目(エビ目)- 異尾下目(ヤドカリ下目)- 鱈場蟹科(タラバガニ科)とのこと。へー、エビとヤドカリって分類上の科目だと「十脚」と「異尾」になるのか。つまり、ハナサキガニといってもタラバガニと同様 “ヤドカリ” の仲間。
名前の由来は花咲半島(根室半島)で多く獲れたから、あるいは茹で上げると花が咲いたような朱色になるから-・という説も有名で、分布はタラバガニよりも狭く、近海では襟裳岬から納沙布岬にかけての太平洋側と根室半島のオホーツク海側に生息。昨年は資源保護の観点から漁業者が自主休漁を設け、本来の解禁日から10日後、4月11日~9月30日までを漁期としていました。
しかし、花咲ガニは資源の枯渇が著しいことで知られ、近年の水揚げ量は最盛期の20%程度。そんな希少価値の高い花咲ガニをカニ原料中56%も使用しているのが「お取り寄せNIPPON 北海道産花咲ガニだし醤油ラーメン」で、しれっと商品名から “使用” の文字が消えているのですが、56%使用のパーセンテージは初代から変わっていません。
第3世代までの「お取り寄せNIPPON」は “すべて実食済み” なのですが、紹介枠の関係でタイミングを逃してしまい、このブログでは取り上げたことがなかったので、ちゃんとレビューするの「北海道産花咲ガニだし醤油ラーメン」が初めてです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、容器の中に放り込まれている「液体スープ」1袋のみで、あいかわらず粉末スープまみれなのが玉に瑕‥‥w と、それはさておき栄養成分表示に違いがあると前述しましたが、試しに初代「北海道産花咲ガニだし使用 醤油ラーメン」の原材料名と比較してみたところ、スープの項目は使用している原材料から並びまで一切変わっていません。
かやくは「大豆加工品」「コーン」「ねぎ」「かに風かまぼこ」の組み合わせで、大豆加工品は昨今の即席カップめん業界にも横行している “フェイクミート” なのですが、これについても初代「北海道産花咲ガニだし使用 醤油ラーメン」から脈々と受け継がれているラインナップ。エースコックの肉そぼろは当たり外れが激しいため、実は大豆加工品のほうが安牌。
メーカー希望小売価格は214円(税抜)ということで、初代「お取り寄せNIPPON」の193円(税抜)から値上がりしているのですが、2022年6月1日(水)出荷分からの価格改定により、これが現在のレギュラーサイズにおける標準的な値段になりました。とはいえスーパーやドラッグストアなど、引き続き税込100円前後で販売している店舗もあったので、実売価格には振り幅があります。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:お取り寄せNIPPON 北海道産花咲ガニだし醤油ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:65g(めん50g) 商品コード:4901071247959(JAN) |
発売日:2023年01月02日(月) 実食日:2023年01月08日(日) 発売地域:全国 取得店舗:TRIAL 小売価格:214円(税別) 購入価格:108円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型カップ(標準サイズ) 容器材質:紙 湯量目安:290ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、スープ(カニ調味料、香味油、植物油脂、しょうゆ、食塩、糖類、チキンエキス、デキストリン、たん白加水分解物、発酵調味料、粉末しょうゆ、カツオ調味料、トマトエキス、ポーク調味料)、かやく(大豆加工品、コーン、ねぎ、かに風かまぼこ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、香料、酒精、カラメル色素、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、カロチノイド色素、微粒二酸化ケイ素、増粘多糖類、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・かに・小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。これまでに現行のフレーバーを含め「お取り寄せNIPPON」にノンフライ麺が使われた事例はないのですが、ひとつ気になったのが原材料名の違い。以前は “小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、香辛料” となっていたのですが、今回から “小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ” に変わっています。
別添の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体スープ」の小袋を温めながら待つこと3分。時間になったら「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら完成です。カニ系のラーメンといえば味噌のイメージが強いところ、こちらは “醤油ラーメン” なので、そのチョイスが個性的。
歴代と同様に、調理後はカニらしい香りが明確に漂ってくるのですが、同時にエースコック特有の油揚げ麺臭も並行するため、そのバランスにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(65g)あたり |
カロリー:276kcal たん白質:5.8g 脂 質:10.9g 炭水化物:38.7g 食塩相当量:4.1g (めん・かやく:1.1g) (スープ:3.0g) ビタミンB1:0.23mg ビタミンB2:0.29mg カルシウム:203mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:276kcal(めん・かやく:226kcal)(スープ:50kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
けっこう仕様が変わった
エースコックの親会社でもあるサンヨー食品が “郷土料理” をモチーフに展開していた「サッポロ一番 和ラー」のように、まるで生めんと見紛うほどの領域には達しておらず、エースコック特有の油揚げ麺臭が常に並行するものの、しなやかさを重点的に意識しているような質感で、基礎クオリティは低くありません。
すすり心地は穏やかで、加水率は低めでありながら、食べ始めは適度にコシが強く、そこそこ密度感のある仕上がり。これよりも白っぽい色だった以前の麺はスナック的で、食感にも風味にも高級感はなかったと記憶しているのですが、ひとまわり成長して戻ってきたような違いを覚えます。
可能であればノンフライ麺を、それが難しいのであれば「焼そばモッチッチ」もとい「ラーメンモッチッチ」の流れを汲む “真空仕立て麺” を導入してほしい気持ちもありますが、税込100円前後の販売価格を加味すると悪くありません。ただ、調理前の麺重量が50gなので、これ1食で満足できる量なのかと聞かれたら、汁物代わりや間食にオススメしたいところはありますね。
スープ
カニの芳ばしさは充分
まずは「液体スープ」を入れる前に味を確認してみたところ、最初から少量の粉末スープが入っているため、まったくの無味ではありません。しかし、うまみ成分や粉末しょうゆ以上に麺から滲み出る揚げ油の風味が目立つので、あくまも粉末スープは土台を支えることに徹しているフレームワーク。
それから「液体スープ」を加えたところ、花咲ガニだし56%使用の恩恵か、甲殻類ならではの芳ばしい風味がグワッと、それも油揚げ麺臭を超える勢いで主張してくるため、ガラッと全体がカニ色に。これなら味噌でも‥‥などと思った節もありますが、あえて液体みそではなく、主張し過ぎない程度に液体しょうゆを重ねることで、よりカニをストレートに伝えたかったのかもしれません。
さらにトマトエキスを隠し味に使っているところも面白く、それは初代「北海道産花咲ガニだし使用 醤油ラーメン」から導入されていたのですが、以前は印象的だったカニミソエキスやカニミソオイルなど、中腸腺に由来する風味は弱くなっていたので、そこにはマイナスの変化を感じました。しかし、レギュラーサイズのカップラーメンにおけるスープとしては、充分に深みのある味わいです。
かやく
値段を思えば及第点
スープに特化した商品なので、どうしても企画的に具材は貧弱になりがちですが、白い大豆加工品、黄色いコーン、赤いカニカマ、緑のネギと彩りは悪くありません。
大豆加工品はグニッとした弾力を残しますが、前述のようにエースコックの肉そぼろで “はずれ” を引いたときはスポンジみたいな食感なので、それと比べたら圧倒的にマシ。もうちょっとカニカマが多いと嬉しいのですが、いい意味で値段相応だと思います。
総評
というわけで、このブログでは初となる「お取り寄せNIPPON」のレビューだったのですが、初代「北海道産花咲ガニだし使用 醤油ラーメン」と比較して油揚げ麺は成長していた反面、スープにおけるカニミソの存在感は意識しても気にならなくなるなど、後者については少し残念に思える変化でした。
しかし、誰が食べても「カニ」と分かる味わいは引き続き健在で、郷土料理をモチーフにしていた即席カップめん「和ラー」が完全に撤退してしまった現在、その後釜を担えるシリーズは「お取り寄せNIPPON」なのかなと。これからも定期的な更新が予想できるので、油揚げ麺の大幅な改革はもちろん、ノンフライ麺を導入したPREMIUM版にも期待しています【author・taka :a(大石敬之)】