どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年3月16日(月)新発売のカップ麺、エースコック「MEGA辛 濃厚鬼辛麻婆麺」の実食レビューです。
ウマさ限界突破型カップめん「MEGA」シリーズに初の “辛さ特化型” が登場!!
辛い?辛くない?実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
MEGA辛 濃厚鬼辛麻婆麺
MEGA(メガ)シリーズとは、素材のウマさを “とことん” 追求したエースコックの特化型ブランドで、シリーズ第1弾の「MEGAニボ ど煮干し中華そば」が発売されたのは2015年7月13日。新しいブランドが生まれては消えていく中、MEGAシリーズはコンスタントに新作を発売しています。
今回の新商品「MEGA辛(メガから)濃厚鬼辛麻婆麺(マーボーメン)」は、MEGAシリーズ第13弾の新作で、歴代初の辛さに特化したスタイル。これまで単一素材や調味料を中心に特化型の商品を開発していたので、辛さに特化したのも「麻婆麺」の着目したのもMEGAシリーズとしては初の試み。
麻婆麺の “麻婆” は、中国・四川料理の麻婆豆腐に因み、それを麺類にアレンジしたのが文字通り麻婆麺なのですが、中国発祥の麺料理ではありません。もとは新潟県にあった創業1976年(昭和51年)の中国料理店「広東飯店」(2004年12月30日に閉店)が発祥の店とされているため、実は日本生まれの創作中華に該当します。
ひとくちに「麻婆麺」といっても様々で、たとえばラーメン(中華そば)の上に麻婆豆腐をトッピングするスタイルの中でも煮干しが効いた魚介しょうゆスープから豚骨スープの場合もあり、それこそ麺の上から麻婆豆腐をかけただけ——みたいなタイプもあって、基本的にカップラーメンでは後者のスタイルが定番。
2018年から2019年にかけて、カップめん業界では花椒(かしょう)の痺れを筆頭に空前の麻辣(マーラー)ブームが到来。まだその尾を引いている2020年3月現在、麻辣の麻(マー)は花椒の痺れ、辣(ラー)は唐辛子の辛さを意味しており、中でも花椒に特化した商品が人気を博しています。
今回の「MEGA辛」にも “粗挽き山椒&唐辛子入りスパイスで仕上げる” とパッケージに書いてあるように——あ、これ花椒ではなく和山椒がメインなんですかね。いまさらですが、花椒は正式名称を華北山椒(カホクザンショウ)といい、ミカン科サンショウ属の落葉低木で、日本の和山椒よりも強い痺れと華やかな香りが特徴。
花椒の読み方は「かしょう」または日本の山椒と区別するために中国山椒や四川山椒(しせんさんしょう)とも呼ばれ、中国読みで「ホワジャオ」「ホアジャオ」などと発音します。けれども今回は花椒や四川山椒ではなく “粗挽き山椒” と表記しているため、和山椒ベースの麻婆麺だとしたら前例にないフレーバーかもしれません。
さらに容器側面には “非常に辛い味わいにつき、小さなお子様や辛いものが苦手なお客様のご飲食はご注意ください” と、辛さに対する注意事項(警告文)を表示。あくまで商品名は「鬼辛(おにから)」で、パッケージにもエースコックのニュースリリースにも “激辛” の文字は見当たらないのですが、鬼辛は激辛以上なのか否か辛さレベルにも注目です。
開封
さて、カップ麺に別添されている小袋は「液体スープ」と「スパイス」の合計2袋。どちらも最初から容器の中に入っているエースコック式で、とんこつ系の粉末スープほどではないものの、小袋が粉まみれなのはご愛敬。まだ麻婆系の香りは目立っておらず、どちらかというと油揚げ麺特有のニオイが気になるところ。
具材は「大豆そぼろ」「豆腐」「ねぎ」「唐辛子」の4種類、小さな豆腐は麻婆麺の雰囲気にピッタリですが、大豆肉そぼろ(大豆加工品)は文字通りフェイクミート(偽肉)なので、本物の挽肉ではありません。最近では日清食品などの大手メーカーをはじめ、エースコックのカップ麺でも頻繁に採用されるようになりました。
メーカー希望小売価格は税別220円、2020年3月現在の縦型ビッグにおける標準的な値段設定で、今回はドンキホーテ(MEGAドン・キホーテ)で購入しましたが、コンビニで購入した場合の税込価格は232円。実際に立ち寄ったコンビニ大手4社では、セブンイレブン、ファミリーマート、ミニストップでの取り扱いを確認しています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:MEGA辛 濃厚鬼辛麻婆麺 製造者:エースコック株式会社 関西滝野工場 製造所:兵庫県加東市河高1816-175(W) 内容量:93g(めん70g) 商品コード:4901071246778(JAN) 商品サイズ:縦111mm×横111mm×高さ118mm |
発売日:2020年03月16日(月) 実食日:2020年03月18日(水) 発売地域:全国(スーパー、コンビニ等) 取得店舗:MEGAドン・キホーテ 商品購入価格:192円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(液体スープ・スパイス) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、砂糖、卵白粉)、スープ(植物油脂、みそ、粉末みそ、ポーク調味料、しょうゆ、食塩、香辛料、糖類、動物油脂、米粉、発酵調味料、ポークエキス、酵母エキス、香味調味料、全卵粉)、かやく(大豆加工品、豆腐、ねぎ、唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、炭酸カルシウム、酒精、香料、重曹、カラメル色素、香辛料抽出物、かんすい、微粒二酸化ケイ素、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、酸味料、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・豚肉・ごまを含む) |
実食開始
麺は丸刃でカットされた油揚げ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。前述した油揚げ麺臭が気になるところではあるものの、ある意味これもエースコックらしいと思える個性的なポイントの一つ。有名店監修の再現系だとネガティブな項目になりますが、今回そういった商品ではないので、あとは好みに合うかどうかの問題。
別添の小袋は両方とも後入れで、お湯を注いでから待っている間、液体スープはフタの上にのせて温めます。時間になったらフタを全部剥がし、粉末スープを溶かしてから液体スープを馴染ませて、最後にスパイスを入れたら出来上がり。思いのほかスパイスの量が多く、けっこう香りも本格的。
なお、とろみ成分が粉末スープに仕込んであったので、溶け残りがないよう液体スープを入れる前に容器の底から念入りに混ぜ合わせてください。それでは、唐辛子の辛さや痺れの強さにも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(93g)あたり |
カロリー:409kcal たん白質:9.9g 脂 質:18.3g 炭水化物:51.1g 食塩相当量:5.5g (めん・かやく:1.6g) (スープ:3.9g) ビタミンB1:0.39mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:304mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:409kcal(めん・かやく:319kcal)(スープ:90kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
次世代系のクオリティ
丸刃でカットされた麺の断面は扁平の平打ち麺で、調理前は油揚げ麺特有のニオイが気になると書きましたが、調理後はスープのインパクトによってネガティブに作用してくることはありません。むしろ辛いカップ麺のスープと油揚げ麺の風味は相性がよく、ネガティブに干渉してくるどころか固有のコクがポジティブに思えるくらい。
麺の加水率は比較的に低めの設定で、もちもちとした粘り気よりもスパッ、プリッとした歯切れの良さが心地よく、するすると口当たりも良好。ほとんど縮れのないストレート麺というのもポイントで、しかしながらスープの馴染みも悪くなくいですし、次世代系の麺に属すクオリティの高さ。
麺量は70gと縦型ビッグの標準(ちょい下)で、わざと今回ゆっくりめに食べてみたところ、もう食べ終わる終盤になっても歯切れのよさをキープ。今回はスープのインパクトで気にならなかったのもありますが、おそらく淡麗系の繊細なスープにも合うと思うので、ぜひ他の商品にも積極的に導入していただきたいです。
スープ
スパイス投入前から本格派
事前の粉末スープは意外と薄味‥‥というわけでもないのですが、見た目ほど濃いめの味ではなく、スープの下地を整えることに徹しているような状態。この時点で唐辛子の辛さや痺れを感じるのですが、唐辛子の辛さレベルはピリ辛ちょい上で、やはり痺れのベクトルは和山椒ではなく花椒に寄っています。
で、液体スープ投入後(スパイス投入前)の状態は——うん、ちょっと予想以上に美味しいですねw 味付けは和味噌をベースに濃口醤油のコクもあり、動物系はポークを軸に抜かりなく、さらに豆板醤や甜麺醤を彷彿とさせる中華調味料特有の旨味があって、まさに和製中華ならではの魅力が楽しめる味わい。で、別添のスパイスを加えると‥‥
和山椒もブレンドしているのかもしれませんが、体感的に優勢なのは明らかに花椒の華やかな痺れ。それを軸にしつつ、唐辛子も配合されているのですが、最終的な辛さレベルは辛口~大辛以下といったところ。反面、花椒の痺れは遠慮なく、苦手なら避けたほうが安全なレベルには達していました。
MEGAシリーズのコンセプトは “とことん” なので、もうちょっと花椒に振り切ってもよかったかな——という思いが無きにしも非ずではあるものの、スパイス投入前の奥深い味わいは記憶に残るレベル。また、刺激と旨味のバランスを思うと的確な塩梅だったように思います。
具材
意外とポジティブな大豆加工品
具材の粗挽き唐辛子は激辛でもなんでもないので、ちょっと雰囲気的なところはありますが、雰囲気でいうと小さい豆腐が効果的。木綿ではなく絹ごし豆腐っぽい滑らな口当たりと舌触りで、きちんと豆腐っぽい風味も楽しめます。ただ、ちょっと量が少なめなのが玉に瑕。
また偽肉(フェイクミート)の大豆加工品もネガティブな素材ではなく、大豆たん白特有のクニッとした食感ではあるものの、スポンジみたいな食感の “程良く味付けした肉そぼろ” と比較したらマシな素材。むしろ雑味がない分けっこうポジティブで、例のスポンジ肉そぼらからコッチに切り替えたのは正解だと感じています。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
やや具材の寂しさが否めないところではあるものの、歯切れのいいストレートタイプの油揚げ麺は新世代系のクオリティで、なかなか痺れの強いスープは濃厚かつ本格派。最終的な唐辛子の辛さレベルは中辛ちょい上~辛口未満、痺れの強さも激痺(ゲキシビ)クラスではありませんでしたが、辛い食べ物が得意でない場合、スルーしたほうが安全かもしれません。
今回はカップ麻婆麺の王道を地で行くような仕上がりで、なおかつ刺激も突き抜けているわけではなかったこともあり、もしかすると期待度によっては物足りなさを感じてしまうかも——なんですけど、ひとつの麻婆麺として高品質な一杯だったので、このジャンルが好きなら試してみる価値は充分あると思います。