どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年12月16日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん正麺 カップ もやし辛味噌(4代目)」(333円+税)の実食レビューです。
やみつきの辛さ!? 毎年12月恒例のマルちゃん正麺カップ「もやし辛味噌」今年は “スープの辛さ„ をコンセプトにリニューアル!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
マルちゃん正麺カップ もやし辛味噌 2024
マルちゃん正麺(せいめん)とは、2011年(平成23年)11月7日発売の袋麺「醤油味」「味噌味」「豚骨味」を皮切りに、東洋水産が力を入れ続けているブランドで、2015年(平成27年)10月5日にカップ入りタイプの「マルちゃん正麺 カップ」が登場。いま抜群に美味しく、そして10年後・20年後も古びることなく愛され続ける即席麺をコンセプトに、独自のポジションを築き上げました。
このページでレビューする「マルちゃん正麺 カップ もやし辛味噌」は、昨年12月18日にリリースされた「濃厚もやし辛味噌」の続編で、2021年12月27日発売品から毎年12月の恒例となっている人気商品。つまり、今年の「もやし辛味噌」は「4代目」に該当するのですが、まったく調整なしの再販ではありません。
初代「濃厚もやし辛味噌」は、東洋水産の特許技術「生麺ゆでてうまいまま製法」(特許 第5719064号)によるノンフライ麺に、ぽってりと濃厚な辛味噌スープ、さらに安心と信頼のバリシャキもやし(低温殺菌調理品)を搭載していた名作で、このブログでは星6の超高評価を記録。
しかし、翌年に発売された2代目「濃厚もやし辛味噌」は、濃厚な辛味噌スープとバリシャキもやしこそ踏襲されていたけれど、なぜか汁なし用のノンフライ麺(当時の「濃厚こくソース焼そば」や「汁なし担々麺」に使われていた短い麺)に切り替わり、食べ終わるまで麺の端が硬いままだったので、どうしちゃったのかなと。
その流れを汲んだ3代目「濃厚もやし辛味噌」のノンフライ麺も戻りの悪さが気になったものの、あいかわらず辛味噌スープは濃厚で、なによりも驚いたのが「NEW ピリ辛もやし入り」のステータス。東洋水産のバリシャキもやしは業界随一の本格さを誇っているのですが、それをラー油で和えたような味付けに変わり、スープとの親和性や個性の演出に大きく貢献していました。
かくして2024年の4代目「もやし辛味噌」にバトンが渡り、冒頭でも触れたように “スープの辛さにこだわり、辛さをより味わっていただけるようラー油を増やし、更に辛さを際立たせました„ というのがリニューアルポイントなんですけれども、よく見たら商品名の「濃厚」が省かれている——。
パッケージには “辛いものが苦手な方はご注意ください„ との注意書きが記載されているため‥‥いや、幅広い層から支持されている東洋水産なので、おそらく今回も辛さレベルは極端に高くないと思いますけど、辛さに振って「濃厚」さを疎かにしていた場合、先代のスープに顔向けできません(誰目線)
また3代目のパッケージと比較して「ピリ辛もやし入り」の部分が「シャッキリもやし入り」に戻っているため、もやしの味付けやノンフライ麺の戻り具合など、注目すべき部分が多そうです。——あ、歴代商品の詳しい感想や評価が気になる方は「初代」「2代目」「3代目」← こちらをご覧ください。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「粉末スープ」「液体スープ」「もやし調理品」の合計4パックで、この構成は歴代「濃厚もやし辛味噌」に共通するのですが、もやしの味付けは見た感じピリ辛じゃない‥‥ですね。あれ美味しかったのになー、残念。
麺は正麺カップといえばの「生麺ゆでてうまいまま製法」による乾燥麺で、湯戻し時間は熱湯5分。ちなみに袋麺の「生麺うまいまま製法」(特許 第5153964号)とは異なる特許技術で、原材料に「こんにゃく」を使っているところが特徴的なポイントになります。そして、けっこう興味深かったのがメーカー希望小売価格の変化。
前年に人気を博した後継機の価格が翌年にアップすることは珍しくないけれど、昨年12月18日発売品のメーカー希望小売価格は338円(税別)だったのに、今年は333円(税別)に値下がりしています。5円ですよ、5円。ときどきブログでも書いていますが、即席カップめん業界は1銭(1/100円)単位でコストを調整しているシビアな世界なので、5円の値下げって大変なんです。問題は、そのトレードオフ。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん正麺 カップ もやし辛味噌 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:161g(めん75g) 商品コード:4901990379656(JAN) |
発売日:2024年12月16日(月) 実食日:2024年12月22日(日) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:333円(税別) 購入価格:359.64円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・もやし調理品・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂、乳糖)、添付調味料(みそ、香味油脂、ポークエキス、しょうゆ、香辛料、植物油、すりごま、豚脂、砂糖、発酵調味料、食塩、たん白加水分解物)、かやく(もやし、にんじん、味付挽肉、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、かんすい、増粘多糖類、炭酸カルシウム、レシチン、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC、ローズマリー抽出物、ビタミンE)、酸味料、香辛料抽出物、クチナシ色素、pH調整剤、パプリカ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、甘味料(ソーマチン)、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
先入れの「かやく」は、味付挽肉とネギの組み合わせで、これについても歴代商品との共通点。ちなみに既存の「でかまる バリシャキ!もやし味噌ラーメン」は “もやし調理品と粉末スープの先入れを推奨している„ のですが、マルちゃん正麺カップの「もやし調理品」は後入れなので、調理の際は気を付けてください。
かやく以外の小袋は後入れなので、それを空けてから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」と「もやし調理品」を温めながら待つこと5分。時間になったらフタを開け、かるく麺をほぐし「粉末スープ」と「液体スープ」を馴染ませた後、仕上げに「もやし調理品」をトッピングしたら出来上がり。
香りは担担麺を想起させるベクトルで、それについては前回発売品と共通点。激辛カップ麺ほど刺激的な湯気は漂ってきませんが、パッケージにも辛味に対する注意書きがあったので、そのレベルや昨年との違いに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(161g)あたり |
カロリー:450kcal たん白質:13.2g 脂 質:14.2g 炭水化物:67.3g 食塩相当量:6.0g (めん・かやく:2.2g) (スープ:3.8g) ビタミンB1:0.28mg ビタミンB2:0.33mg カルシウム:177mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:450kcal(めん・かやく:324kcal)(スープ:126kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
前回から変わった様子はない
「生麺ゆでてうまいまま製法」を訴求していることや「小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂、乳糖」という原材料名の構成も昨年から変わっておらず、体感的にも然り。過去のレビューを読み返してみると “今季最強といわれている寒波到来の影響か、それとも仕様上の問題か、随分と麺のほぐれが悪かった„ と書き残していて——
今年はバッチリと台所を温めた上で、なおかつ初雪が雨に変わったタイミングでの実食だったのですが、ほぐれにくい‥‥。最近の正麺カップ、このパターンけっこう多くなってますよね。噛むと内側から跳ね返してくる強い反発性の持ち主で、しっかりとした噛み応えが楽しめるのですが、ちょっとスープの掴みが悪いところが玉に瑕。
一方で小麦感は素晴らしく、それが全面に主張してくるわけではないけれど、やみつきの辛さを訴求しているスープに負けないくらいには強めに、それでいてスープに滲み出ない繊細さも兼ね備えている絶妙な加減。ただ、最後まで所々に食感のムラが‥‥というのが残念だったポイント。正麺カップは他にも麺のパターンが存在するので、来年は変えてみても面白いかも。
スープ
あきらかに辛くなってる
さて、まずは昨年の原材料名と比較してみましょう。
▼2023
添付調味料(みそ、香味油脂、ポークエキス、しょうゆ、香辛料、植物油、乳糖、すりごま、豚脂、砂糖、食塩、たん白加水分解物、発酵調味料)
▼2024
添付調味料(みそ、香味油脂、ポークエキス、しょうゆ、香辛料、植物油、すりごま、豚脂、砂糖、発酵調味料、食塩、たん白加水分解物)
かなり似た構成ですが、今年は乳糖を使っていなかったり、発酵調味料の使用量が増えていたり、そういったところに違いが現れています。ただ、味の方向性は昨年と同じく “日本式のタンタンっぽい„ テイストで、それこそ花椒(ホワジャオ)を入れたら担担麺としてリメイクできるようなベクトル。
練り胡麻や芝麻醤(チーマージャン)は使っていませんが、それっぽい余韻を残すところだったり、攻撃性を抑えた白味噌をタレのベースにしていたり、どっしりと構えるポークエキスや豚脂のコクだったり、基本的なフレームワークは変わっていません。しかし、辛さレベルは歴代最強‥‥とはいっても激辛系のスープほど強烈ではなく、中辛〜ちょっと辛口くらいですけど、マイナスは感じませんでした。
かやく
ほんとすごいよね、このもやし
先入れの「かやく」は、前回発売品と同じ味付挽肉とFDねぎで、さほど量は多くありません。また個性的だったピリ辛もやしも「でかまる バリシャキ!もやし味噌ラーメン」と同じ既存品に戻ってしまったので、せっかく面白いアイテムだったのに‥‥などと残念に思えてしまったのですが、いやーあいかわらずリアル。
ごま油の風味を効かせた味付けで、殺菌調理品特有の酸味も伴いますが、それが合わさってナムルっぽい雰囲気。ごま油の風味は言うまでもなく、酸味についても前述のスープに合っていたので、あえて最初から全体に混ぜ込んでしまうのも悪くないですよ。
総評
というわけで、前回発売品(3代目)と比較してスープの辛味が強くなり、もやし調理品はノーマル仕様に戻っていますが、メーカー希望小売価格は5円ダウン。ノンフライ麺の戻り具合は今年も改善されていなかったけれど、希望小売価格の変化と辛さアップのステータスを思うと改悪ではありません。
あとは好みの問題になりますが、従来の「濃厚もやし辛味噌」が気に入っていて、なおかつ辛い食べ物が苦手でなければ、オススメしたいカップラーメンです。かなりベースが整っているので、煎り胡麻や花椒ちょい足しでガッツリ担担麺風にアレンジしてみても楽しそうですね。【author・taka :a(大石敬之)】