どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年11月22日(月)リニューアル発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん 日本うまいもん 青森味噌カレーミルクラーメン」の実食レビューです。
青森が誇る究極のB級グルメ!? 知る人ぞ知る青森市民のソウルフードを再現「青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会」公認のカップラーメンとは‥‥
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日本うまいもん 青森味噌カレーミルクラーメン
日本うまいもんとは、まだまだ全国的な知名度が高いとはいえないけれど、地元では誰もが知っている “ご当地めん” にスポットを当てた東洋水産のブランドで、それを全国に発信することを目的に発足。2022年11月現在は日本うまいもん御三家「青森津軽煮干しラーメン 激にぼ」「青森味噌カレーミルクラーメン」「吉田のうどん」を定番商品に位置付け、ご当地めんブームの活性化に貢献しています。
このページでレビューする「日本うまいもん 青森味噌カレーミルクラーメン」は、ご当地ラーメンの中でも異色のオーラを放つ青森市民のソウルフード「青森味噌カレー牛乳ラーメン」を再現したカップラーメンで、前述した御三家の一角。このブログでも何度か引き合いに出しているのですが、そういえば詳しく掘り下げたことはなかったので、思い立ったが吉日、真剣に向き合ってみることにしました。
青森味噌カレー牛乳ラーメンの歴史は、1971年(昭和46年)6月に札幌市中央区大通りで産声を上げ、1980年(昭和55年)4月から “元祖さっぽろラーメン横丁” で人気を博した伝説の店「満龍(まんりゅう)」の流れを汲み、その創業者である故・佐藤清その人が1968年(昭和43年)に開業した「味の札幌」まで遡るのですが、青森味噌カレー牛乳ラーメンの誕生は「味の札幌」開業から数年後の話。
全国に札幌の味噌ラーメンを広めるべく、もともとは東京を目指していた佐藤清さんは、途中で降り立った青森の居心地に感銘を受け、青森に「味の札幌」を開業すると決意。しかしながら当時の青森に味噌ラーメンの文化は定着しておらず、満龍の常連客だった “大西文雄さん” を呼び寄せ、青森市民の味覚に合うよう試行錯誤を重ねた結果、その味が徐々に受け入れられるようになります。
1970年代には映画館があった青森松竹会館(現「BLACKBOX」)のテナントとして2号店「味の札幌 松竹店」(現「味の札幌 大西」の前身)を展開し、松竹店は大西文雄さんに任せ、本店(現在閉店)と共に人気を博していたのですが、その松竹店こそが「青森味噌カレー牛乳ラーメン」発祥の店。映画館内という立地から、好奇心旺盛な中高生が多く来店し、たむろしていた学生が “悪ノリ” を始めました。
その “悪ノリ” こそが現在でいうところの「ちょい足しアレンジ」で、ラーメンにケチャップやマヨネーズ、さらには炭酸飲料を入れて食べる強者まで現れたのですが、1970年代の中頃、とある高校生が「味噌ラーメン」に「カレー」と「牛乳」を入れたら美味しいことを発見してバズり、松竹店の裏メニューとして定着。1978年(昭和53年)には佐藤清さんにも認められ、正式なメニューに加わります。
かくして40年以上前から青森の地に根付いている「青森味噌カレー牛乳ラーメン」ですが、あくまでも “知る人ぞ知る” 存在。そこにイチ早く目を付けたのが東洋水産で、2008年(平成20年)12月1日に「味噌カレーミルクラーメン」を市場に投下。製品に牛乳は使っていなかったことを理由に、商品名はミルクとせざるを得なかったものの、全国に青森市民のソウルフードを広める立役者となりました。
その後、カップ麺は青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会の全面的なバックアップを受け、2010年11月22日発売品から「日本うまいもん」にリニューアル。2022年11月現在は東北エリア限定商品のため、それ以外の地域では「売ってない」「そもそも知らない」などの声を耳にすることもありますが、コンビニや量販店で定期的に開催される「東北フェア」や「ご当地麺フェア」では重宝されています。
開封
さて、ここから先は商品の中身を解説。このページで使用しているのは、現時点での最新版となる2021年(令和3年)11月22日発売品で、別添の小袋は先入れの「かやく」に、後入れ「粉末スープ」と「液体スープ」の計3種。引き続き青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会(「札幌館」「味の札幌 大西」「味の札幌 浅利」「札幌ラーメン 蔵」「かわら」)公認で、パッケージの “青森ねぶた祭” も健在。
以前は “ナチュラルウェーブ製法” のノンフライ麺を搭載していましたが、2021年11月のリニューアルを機に「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」で確立した “生麺ゆでてうまいまま製法” の乾燥麺(特許 第5719064号)に切り替わっているため、ここは大きな変化。従来の「青森味噌カレーミルクラーメン」は何度も食べているのですが、2021年11月発売品の実食とレビューは初の試み。
2022年6月1日出荷分から実施されている価格改定により、メーカー希望小売価格は従来の260円(税別)から288円(税別)に値上がりしているのですが、原材料の高騰が相次いでいるため、致し方ないと受け入れるしかありません。それでもカップラーメンとしては高い部類に入るので、コストパフォーマンス的なところも意識しながらレビューします。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 日本うまいもん 青森味噌カレーミルクラーメン 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:130g(めん70g) 商品コード:4901990370158(JAN) |
発売日:2021年11月22日(月) 実食日:2022年11月13日(日) 発売地域:東北(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:マックスバリュ西日本(青森フェア) 小売価格:288円(税別) 購入価格:289.44円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂、乳糖)、添付調味料(みそ、乳等を主要原料とする食品、ポークエキス、豚脂、香辛料、植物油、すりごま、食塩、砂糖、でん粉、しょうゆ、酵母エキス)、かやく(焼豚、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、かんすい、炭酸カルシウム、カラメル色素、レシチン、香料、増粘多糖類、pH調整剤、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、香辛料抽出物、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・ごま・大豆・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、ラインナップは焼豚、メンマ、ネギとシンプルな組み合わせ。初代「味噌カレーミルクラーメン」にはバター風キューブを別添していたり、二代目には自慢のバリシャキもやし(「でかまる バリシャキ!もやし味噌ラーメン」にも使われている低温殺菌もやし)を別添していたり、具材の見どころも多かったのですが、これも時代の流れ。
添付調味料は2袋とも後入れなので、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」の小袋を温めながら待つこと5分。時間になったらノンフライ麺をほぐし、それから「粉末スープ」「粉末スープ」の順に馴染ませると作りやすいため、調理の際は参考にしてください。
さて、青森味噌カレー牛乳ラーメンといえば “わかめ” のトッピングも重要な位置を占めていると思っているのですが、東洋水産のカップ麺では残念ながら最新版でも不在。ちなみにリニューアル前の商品を評価するなら「★7」と決めていたので、リニューアル前後の違いに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(130g)あたり |
カロリー:442kcal たん白質:12.6g 脂 質:14.8g 炭水化物:64.6g 食塩相当量:7.2g (めん・かやく:1.9g) (スープ:5.3g) ビタミンB1:0.25mg ビタミンB2:0.30mg カルシウム:208mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:442kcal(めん・かやく:294kcal)(スープ:148kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
よくも悪くも正麺カップ品質‥‥w
リニューアル前の「日本うまいもん 青森味噌カレーミルクラーメン」に使われていたのは、東洋水産のグループ企業であるユタカフーズ(愛知県知多郡武豊町字川脇34-1)製造のノンフライ麺で、やや縮れが強く、リニューアル後よりも圧倒的にサイズは細め。どちらかといえば「麺づくり」の系譜に連なる質感を特徴とし、それが当時の味噌カレーミルクスープと絶妙にマッチしていました。
対して2021年11月発売品のノンフライ麺は、2021年9月6日のリニューアルから仕様を大幅に変更している「マルちゃん正麺 カップ」の系譜に連なる乾燥麺で、中細ちぢれ麺からストレート状に近い平打ち麺にリニューアル。正麺カップが無条件で好きな方にとってはポジティブな変更になりますし、けっして基礎クオリティが低いわけでもないけれど、ナチュラルウェーブ製法の麺が恋しいのも事実。
おそらく慣れの問題もあると思うので、主観的な見解を含んでいることは認めますけど、これを使ってしまうと “みんな「正麺カップ」になっちゃう” というか、そろそろ飽和状態というか、引き続き製造はユタカフーズに任せてほしかった‥‥というのが正直な意見。繰り返しになりますけど、もちろん低品質なわけではありません。ただ、ずいぶんと没個性なリニューアルになってしまいましたね。
スープ
明らかに味噌が強くなった
商品名が牛乳ではなく “ミルク” となっているように、牛乳の代替品として粉乳を使っているのですが、それについては2008年12月発売の「味噌カレーミルクラーメン」から継承されている個性の一つ。粉末スープはカレー粉を中心に、すりごまで全体のパンチとコクを強め、砂糖のジャンクな甘さで粉乳との相乗効果を図りながら中毒性を高めるなど、おおまかなフレームワークは変わっていません。
片や「液体スープ」は濃いめの味噌ダレを中心に、濃厚なポークエキスを合わせ、さらに豚脂で重心を下げながら、オイル成分にバターの風味を添加しているのもポイント。本物のバターを使っているわけではないため、やや紛いモノ感はありますけど、バターっぽい風味はリニューアル前よりも強くなっているような印象。
初見だと面喰らうような組み合わせですが、世間的に抱かれるイメージよりも硬派な味わいで、あいかわらずクセになる感じは健在です。ただ、麺の変更に合わせてかリニューアル前よりも味噌の主張が強く、スープの表面に浮かぶオイルの層も厚みを増していたので、そこにも従来品との違いを感じました。
かやく
わかめ入れてほしい
丸い焼豚に、歯ごたえの強いメンマ、フリーズドライのネギなど、かやくの内容に大きな変更はなく、ここだけ見ると値段相応の内容とはいえません。スープの満足度が高いので、そこまで気にならないといえば気にならないのですが、かつての「バター風キューブ」や「バリシャキもやし」の復活はもちろん、次回のリニューアルでは「わかめ」の導入も検討してほしいです。
総評
リニューアル前の「青森味噌カレーミルクラーメン」と比較して、麺の仕様が大きく変わり、それに伴ってスープも力強いテイストに変わるなど、それなりに大きな違いは生じていたのですが、唯一無二の個性を放つスープは一見の価値あり。エンカウント率は物産展などで急上昇するため、まだ未体験の方は一歩踏み出してみると大きく世界観が広がると思います(根本的に苦手だったらスミマセン‥‥w)。
ちなみに現行パッケージの天面には引き続き “できあがり後に「牛乳」を入れるとコクがUP!!” という訴求があり、スープが以前よりも力強いテイストに変わった分、より「追い牛乳」に適した商品になっていると感じたのですが、加えて「わかめ」をトッピングすると雰囲気マシマシなので、ちょい足しアレンジも検討してみてください【author・taka :a(大石敬之)】