どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年1月24日(月)新発売のカップ麺、明星食品「明星 馳走麺(ちそうめん) 狸穴(まみあな)監修 ラー油肉蕎麦」の実食レビューです。
好評につき2019年も製品化! メーカーが提案する「温玉おすすめ!」アレンジも試してみました。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
馳走麺 狸穴 ラー油肉蕎麦 2019
お店の名前が普段あまり使い馴れない漢字の組み合わせなので、ちょっと難しいかもしれませんが、「馳走麺」の読み方は「ちそうめん」、「狸穴」は「まみあな」と読みます。2016年11月14日に初版のコラボ商品「明星 馳走麺 狸穴監修 ラー油肉そば」をリリース、翌2017年11月27日にも同じ商品名で発売されており、2018年発売分はずれ込んで2019年になりましたが、今年で3度目のタイアップ。
「馳走麺 狸穴」(ちそうめん まみあな)とは、ラーメン激戦区として名高い東京・池袋で行列の絶えない人気店で、お店の看板メニューは「つけめんTETSU」風の「濃厚つけ麺」と「港屋」風の「肉盛つけ蕎麦」の二本柱。2009年12月にオープンした途端、数ある有名店を差し置いて一気に行列店へと伸し上がったそうです。
驚くことに店主・岩田圭介(いわた けいすけ)氏は23歳という若さでありながら、ほぼ独学で店の味を作り上げたのだとか(ちなみに好きなラーメン店は「ほん田」とのこと)。以前、カップ麺にもなったミシュラン掲載店「むぎとオリーブ」の店主と同姓同名ですね。なぜ狸穴なのか由来を調べてみたのですが、東京・麻布の地名くらいしかヒットしませんでした。
お店の「肉盛つけ蕎麦」は、 “蕎麦界の二郎” といわれている西新橋の行列店「そば処 港屋(みなとや)」にて提供されている、冷たいつけ汁の表面を辣油で覆った「冷たい肉そば」をリスペクトした商品で、それをベースにして店主が特別に監修したカップ麺だけのオリジナルメニューが今回の「明星 馳走麺 狸穴監修 ラー油肉蕎麦」。
出汁の効いた甘濃い蕎麦つゆにラー油を浮かべているのが特徴となっているのですが、2019年版は前作(2017年11月発売品)と比較して、より麺(蕎麦)を太く改良、さらに焙煎ラー油の辛味もアップさせるリニューアルを施しているようです。また、今年のパッケージには「温玉おすすめ!」と温玉トッピングのアレンジが提唱されていました。
「※温泉玉子は付いておりません」なので、もちろん自分で用意しなければいけないのですが、せっかくなので通常通り調理してレビューした後、2個目を調理して温泉卵アレンジバージョンの感想もお届けしたいと思います。それでは、開封して中身をチェックしてみましょう。
開封
開封の前に別添の「液体スープ」を取らなければいけないのですが、付属の小袋は液体スープ1袋のみ。今回のリニューアルで焙煎ラー油の辛味をアップとのことでしたが、例年通り辣油成分が入っているのでしょう。初版は刺激の強さこそピリ辛に毛も生えないようなレベルでしたが、何と言っても「焙煎」の芳ばしさが印象的でした。
容器の中には「肉蕎麦」らしく豚肉が多めに入っているのですが、けっこう量にバラつきがあるかもしれません。というのも今回は通常レビュー用、アレンジ用と2個カップ麺を購入しているのですが、アレンジ用のほうも同時に開封してみたところ、肉もネギもザッと半分‥いや、それ以下の量だったんです。
肉に関しては特にメイン具材なので、これだけの個体差が出てしまうと不安ですよね。たまたま最初に開封したほうが当たりで具材が多かったラッキー商品というパターンも否定できませんが、さすがに軽く数えて肉5個くらいは少なすぎると思います。もちろん偶然にハズレを引いたのかもしれませんが、もし2個目を単体でレビューしていたら評価は大きく変わっていたでしょう。
製品情報・購入価格
製品名:明星 馳走麺 狸穴監修 ラー油肉蕎麦 販売者:明星食品 製造所:埼玉工場(製造所固有記号[R]) 内容量:94g(めん75g) 発売日:2019年01月21日(月) 実食日:2019年01月24日(木) JANコード:4902881435277 希望小売価格:205円(税抜) 発売地域:全国(全チャネル販売) |
麺の種類:油揚げ麺(蕎麦) 容器材質:紙 湯量目安:350ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉、そば粉、植物油脂、食塩、植物性たん白)、スープ(糖類、食塩、デキストリン、しょうゆ、たん白加水分解物、香味調味料、豚脂、チキンオイル、香味油、鶏肉エキス、植物油脂、かつおエキス、かつおぶしエキス、かつおぶし粉末)、かやく(味付豚肉、ごま、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、リン酸塩(Na)、炭酸カルシウム、乳化剤、香辛料抽出物、酸味料、増粘剤(増粘多糖類、加工デンプン)、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、酒精、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・そば・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【アレルギー表示】小麦・そば・卵・乳成分・えび・豚肉・鶏肉・牛肉・さけ・さば・大豆・ごま・ゼラチン(コンタミネーション:かに・落花生) |
実食開始
さて、いきなり肉の量が大幅に違うことに戸惑ってしまったのですが、たまたまハズレを見てしまったのかもしれないということで、予定通り最初に開封した肉多めの個体を通常レビューに使用します。別添の液体スープには、少しカエシ(タレ)っぽい醤油ベースの成分が含まれ、あとは豚脂やチキンオイルをミックスした辣油といった構成。
さすが肉蕎麦だけあって肉たっぷりに仕上がったのですが、もう片方の商品を調理していた場合かなり貧弱な完成図が想像できます(ほんとレビュアーとして不安になる‥w)。今回のリニューアルで太くなたっという蕎麦は存在感があり、甘濃い蕎麦つゆと焙煎辣油の芳ばしい香りが重なって、この時点から中毒性を覚えますね。
お店の「肉盛つけ蕎麦」には、牛丼の具よろしく牛肉と玉ねぎを煮込んだ具材がトッピングされているそうですが、あくまでも今回はカップ麺のオリジナルアレンジということで、しっかり割り切ったほうがいいかもしれません。それでは、実際に食べてみましょう。「めん」「つゆ」「かやく」の順に解説し、それから温泉卵トッピングの感想を紹介します。
1食(94g)当たり
カロリー:416kcal |
※参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:416kcal(めん・かやく:359kcal)(スープ:57kcal) |
めん
お店のしっかりとした食感と色合いを再現した、食べ応えのあるそばです。前回より太く食べ応えのあるそばに仕上げました。
(出典:明星食品「ニュースリリース」)
まるで洗練された都会の更科(さらしな)の真逆を行くような、かなりゴワつきのある野趣に富んだ田舎蕎麦(いなかそば)風の油揚げ蕎麦で、たしかに以前よりもサイズが太くなっているように感じました。油揚げ麺特有の芳ばしい風味も蕎麦粉の香りと拮抗していて、もう完全に振り切ってます。お店の蕎麦も田舎蕎麦風のワイルドな麺らしく、製品説明にも書いてあるように、麺については再現性を意識しているみたいですね。
食感は加水率の低い歯切れの良さが際立つタイプで、やや粉っぽい質感なんですけど、あえて洗練とか上品みたいな印象を与えないようにしているというか、この思い切った仕上がりには素直に好感が抱けました。ひとつ強いてワガママを言うなら、もうちょっと食感の持続力があると嬉しいかな。
かなり縮れも強く、大幅にインスタントらしさに寄っているため、繊細な喉越しに期待していると確実にズッコケることになりますが、今回の辣油が浮いた甘濃い蕎麦つゆとの相性がよく、個人的には高く評価したい太蕎麦です。ちなみに麺の重量は75gと中途半端なんですけど(変わり種だと70gが平均でシリーズによっては80g)、前回・前々回のコラボ商品も75gでした。
つゆ
かつおだしの風味豊かなそばつゆに、鶏の旨みを加えて甘濃いつゆに仕上げました。醤油と和風だしを合わせたそばつゆに、焙煎ラー油を加えた液体スープ付きです。前回より辛味を増して刺激的な一杯に仕上げました。
(出典:明星食品「ニュースリリース」)
これは代々のコラボ商品で共通のポイントになるのですが、けっこう甘いんですよ狸穴監修の蕎麦つゆ。基本的に辣油そば系と鴨だし系はベースを甘めに仕上げてくる傾向にあるんですけど、その中でも取り分け甘い部類に入ると思います。過度な人工甘味料は使用されていませんが、この甘さは人を確実に選びますね。
ただ、この甘さこそがキーマンと言っても過言ではありません。こっくり甘濃い蕎麦つゆが好きなら間違いなくハマると思いますし(※筆者どストライク)、そこへ重なる焙煎辣油の芳ばしい香りとピリッとくるアクセントが織り成す中毒性たるや‥‥たぶんダメな人は極端にダメ、ハマる人は “とことん” ハマるタイプ。
醤油は濃口で魚介出汁は鰹一本なんですけど、「かつおエキス」「かつおぶしエキス」「かつおぶし粉末」と鰹は三重奏。さらに豚脂やチキンオイル、鶏肉オイルを重ね、つゆなのにスープっぽいニュアンスがあり、これによって存在感が絶大な田舎蕎麦風の油揚げ麺を飼い慣らします。辣油の辛さは辣油成分の多い最初だけピリッとくるかな? だったんですけど、あいかわらず焙煎の芳ばしさが印象的でした。
かやく
豚肉、ネギ、ゴマを組み合わせました。
(出典:明星食品「ニュースリリース」)
豚肉は東洋水産のリアル味付豚肉には及ばないものの、あれは反則級の具材なので比べちゃダメですね。やや軽めの食感で、部位は脂身の少ない赤身がメインでしたが、きちんと豚肉の旨味も楽しめて、甘辛い味付けが甘濃い蕎麦つゆと絶妙にマッチ。ただ、これが5切れとかだったら寂しいと思います。
ネギは特別な仕様ではなかったのですが、大きめカットではなく歯触りの強い小葱がメインに入っていて、そのシャキッとした食感が飽きのこないアクセントに効果的。そして胡麻も今回のカップ麺に欠かせない素材で、何気に量も多く、芳ばしい焙煎ラー油と胡麻の食感・風味が絶妙にマッチしていました。ごまゼッタイに必要。
ちょい足しアレンジ「温玉おすすめ!」
かなり甘濃い蕎麦つゆですが、まず甘みが強いこと、そしてスープの食塩相当量が3.3gという低さなので(※タテ型ビッグ製品のスープは食塩相当量4g〜5gが平均)、濃い見た目のわりに塩気が舌に突き刺さってくるようなタイプではありません。というわけで温泉卵の差し引き分を計算し、お湯ちょっと少なめに調理しました。
いやもう間違いないですよねw だいたい温泉卵が合わないカップ麺とかないんじゃないかってくらい約束された黄金コンビだと思っているのですが、まさに月見ラー油そば的な有りそうで無かった共演。ピリッと辛いラー油の芳ばしいアクセントと卵黄のコクが打ち出す対比、さらに卵黄部分を蕎麦に絡めて食べると油揚げ麺臭が抑制され、蕎麦粉の香りが引き立ちます。
つゆが鰹ベースの甘濃い醤油味なので、甘めの出汁醤油を使った卵かけ御飯じゃないけれど、卵との相性も約束されているようなものですから間違いありません。まずはオリジナルのまま食し、味が気に入ったら with 温泉卵でリピートです。ちなみに肉具材が麺の下に潜り込んでないかなぁ‥と思って念入りに探してみたのですが、写真に写っている分しか入っていませんでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
力強さを増した田舎蕎麦風の油揚げ太麺、言われてみたら辣油ちょっと辛くなったかな? というリニューアルは見られましたが、基本的に前回・前々回から大幅な違いは見られなかったので、これまでの狸穴がダメだった方はスルー、美味しいと感じていた方は安心して手に取っていただいで大丈夫です(※ただし2019年11月11日発売の第4弾「馳走麺 狸穴監修 シビ辛ラー油肉蕎麦」で仕様が変わりました)。
今年になってから初めて見たよ、という方におかれましては、まず蕎麦つゆの甘味が強いことと、かなり油揚げ蕎麦の存在感が強いことを念頭に置いていただいて、ご自身の好みに合うかどうか判断なさってください。 “1回食べたらいいや‥” という意見も多いかもしれませんが、かなり中毒性が高く、ひとたびハマったら病み付き系なので、個人的には何度かリピートしたいくらい好みでした。続編の感想と評価につきましては、上記のレビューをご参考ください。