どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年9月28日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「謹製 ゆず香る鶏白湯味あえそば」の実食レビューです。
スープのおいしさにこだわって生まれ変わった「謹製」シリーズ第7弾は高品質ノンフライ麺を搭載!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
謹製 ゆず香る鶏白湯味あえそば
マルちゃんの謹製(きんせい)とは、2001年8月6日に発売された「謹製 濃厚白濁とんこつラーメン」から続いているカップ麺のブランドで、もともと縦型BIGカテゴリーの中でもスープの本格感を重視するスタンスでしたが、2019年4月より “女性層やあっさり系を好むユーザー” を対象とし、同社の本気盛(マジモリ)と明確な差別化を図ることに成功しました。
今回のカップ麺「マルちゃん 謹製 ゆず香る鶏白湯味あえそば」は、鶏の旨味を効かせた創作あえそばがコンセプトの新商品で、謹製シリーズ史上初となるノンフライ麺を搭載。コンセプトを刷新して生まれ変わった2019年4月15日発売の縦型カップ麺「謹製 山椒香る塩そば」から数え、謹製シリーズ(新生版)第7弾となる新作です。
2001年8月6日発売の「謹製 濃厚白濁とんこつラーメン」以降、定期的に新作を開発・販売していましたが、同社の縦型BIGブランド「本気盛」とコンセプトのカニバリを起こしており、2015年5月4日発売の「謹製 辛ダレ鶏しお」から新作のリリースが完全にストップ。とうとう自然消滅したかと思いきや、およそ4年後となる2019年4月15日、赤穂の真塩を使用した淡麗系しおラーメン「謹製 山椒香る塩そば」を市場に投下。
前述のように4年越しの新作から “スープのおいしさにとことんこだわった” というコンセプトを踏襲しつつ、女性層やあっさり系を好むユーザーを対象とし、みごと返り咲きを果たしたのですが、2019年10月7日発売の第2弾「謹製 山椒香る塩焼そば」では湯戻し1分の油揚げ麺を使った麺量130gの汁なしカップ麺を展開。
同社が販売している北海道エリア限定の「やきそば弁当」や東北・信越エリア限定の「焼そばバゴォーン(BAGOOOON)」と同様に、戻し湯で作るスープを別添した大盛りカップ麺で、なぜか “女性層やあっさり系を好むユーザーにぴったりな——” というコンセプトから外れていましたが、2019年11月25日に稀少な鱧(はも)エキスを使用したシリーズ第3弾「謹製 松茸香る鱧だしそば」を発売して繊細な路線に軌道修正。
その後、一般的な白湯(ぱいたん)系の豚骨ラーメンとは一線を画す、濁りのない清湯(ちんたん)系の豚骨ラーメンをテーマに開発したシリーズ第4弾「謹製 豚そば」を2019年12月9日に新発売。2019年の後半にいたっては、月に1回のペースで新しいフレーバーを展開するという、かなりハイペースな展開が印象的でした。
それから4ヶ月ほどの期間を空け、鶏しょうゆ清湯をテーマにシリーズ第5弾「謹製 山椒香る中華そば」をリリース。第1弾〜第5弾まで「謹製 ○○そば」という商品名に統一していましたが、2020年7月6日発売のシリーズ第6弾「謹製 鴨だしラーメン」のみ “ラーメン” とニュアンスを加え、しかしながら “女性層やあっさり系を好むユーザーにぴったりな——” というコンセプトは踏襲されており、繊細な作りで「本気盛」と差別化。
そして謹製シリーズ(新生版)第7弾となる今回の「謹製 ゆず香る鶏白湯味あえそば」は、ゆずの風味を効かせた鶏白湯味の汁なしカップ麺で、謹製からは2度目の湯切りタイプになりますが、おそらくノンフライ麺を搭載してきたのは2001年8月発売の初代から数えても前例にない試み。しかもパッケージには、東洋水産を代表する「マルちゃん正麺カップ」と同じ “生麺ゆでてうまいまま製法” と記載してあります。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に後入れの「液体スープ」と「粉末スープ」で合計3袋。東洋水産の公式ウェブサイトには、チキンの旨味をベースに野菜の旨味を加え、アクセントで柚子の風味を効かせている濃厚な鶏白湯味と添付調味料の特徴を記載。パッケージには “ゆず香料を使用” とありますが、カップ麺では香料のほうが分かりやすく個性を表現できることも稀ではありません。
麺はフタの上にも記載してあったように「生麺ゆでてうまいまま製法」のノンフライ麺で、原材料に “こんにゃく” を練り込んでいるのが最大の特徴。実は「マルちゃん正麺カップ」が発売される1ヶ月前、こんにゃく練り込み油揚げ麺を搭載した「マルちゃん hanauta(はなうた)イタリアンヌードル」という縦型カップ麺をリリースし、その後も何度か別のブランドで使用していましたが、最近はノンフライ麺だけに絞っています。
ちなみにパッケージは高級そうなデザインで、ノンフライ麺を搭載した新作ですが、メーカー希望小売価格は税別220円となっており、コンビニで購入した場合の税込価格は232円(2020年10月現在)と特別に高いわけではありません。実際に立ち寄ったコンビニ大手4社の中では「ローソン」での取り扱いが多かったので、販売店の参考にしてください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:謹製 ゆず香る鶏白湯味あえそば 製造者:東洋水産株式会社 関東工場 製造所:群馬県館林市赤生田本町3831-1 内容量:120g(めん90g) 商品コード:4901990366847(JAN) 商品サイズ:縦180mm×横180mm×高さ77mm |
発売日:2020年09月28日(月) 実食日:2020年10月03日(土) 発売地域:全国(コンビニ・スーパー等) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:232円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:600ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、こんにゃく、大豆食物繊維、植物性たん白、植物油脂)、添付調味料(チキンエキス、植物油、鶏脂、ラード、香味油脂、砂糖、たん白加水分解物、野菜エキス、食塩、乳等を主要原料とする食品、デキストリン、酵母エキス、こんぶエキス、香辛料)、かやく(味付鶏肉だんご、たまねぎ、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、レシチン、炭酸カルシウム、酒精、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、pH調整剤、クチナシ色素、カラメル色素、香料、増粘多糖類、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」のみで、中身は味付鶏肉だんご、玉ねぎ、メンマ、ネギの4種類。そこまで大量に入っているわけではないけれど、味付鶏肉だんごは定評のある東洋水産の汎用肉具材。また注目したいのは細めにカットされた玉ねぎで、この手は玉ねぎの柔らかい甘みよりもシャキシャキとした食感とフレッシュな香味が特徴的。
あとは熱湯を注いで5分後に湯切りを行い、液体スープと粉末スープを混ぜ合わせるのですが、液体スープを馴染ませてから粉末スープの順番に開封するのがポイント。また容器側面の調理方法には記載されていませんが、液体スープの小袋には鶏脂やラードといった動物油脂が含まれるため、待っている間にフタの上で温めた方がいいかもしれません。
さて、液体スープからは鶏白湯よりも昆布入りのタレっぽい香りが漂い、粉末スープからは柚子の香りだけでなく、ペッパーと人工的な旨み成分を彷彿とさせる香りが印象的な調理直後。謹製シリーズの新作というよりもマルちゃん正麺カップっぽい雰囲気ではあるものの、それはさておき濃厚な鶏白湯の旨みと柚子の兼ね合いに注目しながら「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(120g)あたり |
カロリー:449kcal たん白質:11.5g 脂 質:11.6g 炭水化物:74.7g 食塩相当量:4.1g ビタミンB1:0.34mg ビタミンB2:0.38mg カルシウム:192mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
東洋水産の特許製法は伊達じゃない
「生麺ゆでてうまいまま製法」とは、生の麺を茹でてから乾燥させ、乾燥麺でありながら生麺本来の味と滑らかでコシのある食感が楽しめる、東洋水産独自の特許製法(第5719064号)のこと。前述の「マルちゃん正麺カップ」シリーズにも使われているのですが、製品スタイルが湯切りタイプの場合、およそ2年の歳月をかけて開発した汁なし専用のノンフライ麺を使っています。
おそらく今回の「謹製 鶏白湯味まぜそば」に使われている麺も「マルちゃん正麺カップ」の汁なし版と同じノンフライ麺で、なめらかな口当たりと強靭なコシの両立もさることながら、箸で持ち上げたときの重量感もポイント。お湯を注いでから5分待って湯切りしただけとは思えない “あのノンフライ麺” を使用しているため、クオリティの高さは折り紙付き。
かなり加水率の高いノンフライ麺なので、スープに対し油揚げ麺ほどの一体感はないものの、孤立した印象は受けません。しかし、スープとの一体感を重視するのであれば、20〜30秒ほど長めに待ち、湯切りの前に “いったん箸で麺をほぐしてから” お湯を捨てるのがオススメ。スープとの一体感が高まるだけでなく、より自然な食感に仕上がるため、ちょっと手間ですが試してみてください。
スープ
思いのほかジャンクな味覚
液体スープは油分が多く、前述のように昆布が強めに香り、キリッとした塩気で後味を引き締めてくるのですが、鶏骨を強火で炊き出したような骨っぽさは目立ちません。意識して味わうと乳化したテイストを感じるものの、そこまで鶏白湯っぽさは強くないため、この段階では昆布ダシ・塩ダレ・アブラとノンフライ麺を和えたような状態。
続けて粉末スープを加えると、人工的な旨みが強く主張をはじめ、ゆず香料を使用と記載されていましたが、ほんのり味覚に訴えかけてくるものがあります。しかし、粉末スープを加えたあとも強火で炊き出したような骨っぽさが表に立つことはなく、かなりインスタント感の強い味わいから、本格的な鶏白湯を期待していた場合、違和感を覚えるかもしれません。単純に味としては悪くなかったんですけどね。
具材
なんといっても玉ねぎが効果的
トッピングはシンプルな構成かつ他の商品にも使われている汎用の具材ですが、前述のように特筆すべきは玉ねぎの食感と風味がポイント。そのシャキシャキとした歯触りは、どこを食べても意識せずに楽しめるくらい量が多く、味付鶏肉だんごを差し置いて主役級の存在感。コリコリとしたメンマは乾燥具材特有の歯応えなので、ある意味ちょっと不自然ではあるものの、箸休めに嬉しい具材。
一方、効果的には玉ねぎが主役級の存在感を見せていましたが、あいかわらず味付鶏肉だんごは高品質。個数は4個と多くはないものの、ふわふわとした柔らかい食感で、濃いめの味付けから鶏肉特有の臭みもありません。なお同じ日に同じ店で購入した「謹製 ゆず香る鶏白湯味あえそば」の味付鶏肉だんごも4個だったので、だいたい平均3〜5個くらいなのだと思います。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
“生麺ゆでてうまいまま製法” のノンフライ麺を使用しているため、前述のように「謹製」シリーズの新作というよりも「マルちゃん正麺カップ」の流れを汲んだ変わり種に思えるのですが、それはさておき鶏白湯の骨っぽさは目立っておらず、思いのほかジャンクなテイストから、だいぶインスタント感の強い仕上がり。
柚子の風味も香料による人工的なものだったので、もうちょっと柚子の臨場感や濃厚な鶏白湯らしさが欲しかったところ。こういう味だと割り切ってしまえばインスタント感もネガティブではなかった反面、繊細な味わいに期待していた場合、ノンフライ麺でも思いのほかジャンクな一杯だったので、事前にイメージを調整しておいてください。