どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年12月12日(月)新発売、セブンプレミアムのカップ麺「飯田商店 担々麺」の実食レビューです。
秘伝のスパイスが決め手!? 孤高の天才と謳われた「らぁ麺 飯田商店」唯一の “支店でしか食べられない担々麺” の味わいをカップラーメンで再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
飯田商店 担々麺
らぁ麺 飯田商店(いいだしょうてん)とは、2010年(平成22年)3月16日の創業以来、神奈川県足柄下郡湯河原町に本店を置く「らぁ麺」と「つけ麺」の専門店で、その実力は日本有数の温泉地として知られる湯河原を “ラーメンの聖地” と言わしめたほど。孤高の天才と謳われた飯田将太(いいだ しょうた)店主は、権威ある数々の賞を総なめにし、現在も全国から集う食通の舌を唸らせています。
今回の新商品「セブンプレミアム 飯田商店 担々麺」は、飯田商店の代表・飯田店主監修のもと、静岡県沼津市(片浜)にある唯一の別店「湯河原 飯田商店 ららぽーと沼津店」でのみ提供されている “本店では食べられない担々麺” の味わいを再現したカップラーメンで、製造者はマルちゃんのブランドで知られる東洋水産。これまでに何度もコラボしている関係ですが、担々麺の商品化は前例がありません。
飯田商店の姉妹店といえば、2013年(平成25年)6月1日に本店と同じ湯河原の地で開業した「しあわせ中華そば食堂 にこり」という店舗があり、そこでは飯田商店の味わいとは異なる “湯河原系ラーメン” を提供しているのですが、2019年10月4日にオープンした「湯河原 飯田商店 ららぽーと沼津店」は本店の “らぁ麺” を彷彿とさせる一杯を提供しているのがポイント。
店舗は「ららぽーと沼津」のフードコート内にあるため、それなりにデフォルメする必要があり、実際に味を変えていることは公式も言及しているのですが、なんのこれしき “飯田商店の支店” は伊達じゃありません。たとえば麺に使う小麦粉は、はるゆたかの父として知られる片岡農園の「はるゆたか」を製粉するところから始め、さらに「きたほなみ」をブレンドし、かんすいは天然由来の内モンゴル産。
鶏スープには鹿児島県産「黒さつま鶏 黒王」(NSファーム)の丸鶏とガラに、秋田県産「比内地鶏」の丸鶏とガラを合わせ、魚介スープには天然羅臼昆布・養殖真昆布・枕崎産枯節・鯖節・宗田節・瀬戸内産白口煮干ほか、山形県産マッシュルームを隠し味に使用。厳選もとい “激選素材” にこだわり、水も逆浸透膜(RO膜)で濾過した軟水かつ “化学調味料は一切使いません” と徹底した姿勢を貫いています。
そんな「湯河原 飯田商店 ららぽーと沼津店」でしか食べられない「担々麺」のスープには、もれなく前述の “激選素材” を使い、辛さは控えめとの評判。麺は本店と同じく柔めに茹で上げられ、トッピングには肉味噌や砕いたナッツ、青ネギのほか、その季節にあった旬の野菜を使い、その野菜は同じ「ららーぽーと沼津」内にある「SEASON SALAD」から仕入れている、というのも興味深いところ。
たとえばカップラーメンにも店舗と同じ “激選素材” を使ったり、旬の野菜をトッピングしたり、ましてや化学調味料不使用というのも不可能に近い要素になりますが、天下の飯田店主が監修した商品ということで、自ずと期待値の上昇は否めない展開。
2022年は5月23日に飯田商店監修流シリーズ初のセブンプレミアムゴールド「飯田商店 しょうゆらぁ麺」で話題になり、7月18日発売の「らぁ麺 飯田商店 秘密のまぜそば ゆずの香り 豚鶏白湯味」も好評を博すなど、安心と信頼のセブン&アイ×飯田商店×東洋水産なので、ほかにはない個性に注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「粉末スープ」「液体スープ」「特製油」の計4種。液体スープと特製油はズッシリと量が多いため、寒くなってきた季節柄 “どんぶりなどの容器に熱湯を張り、液体スープと特製油を袋ごと沈めて事前に温めるのがベスト” なのですが、ひとまず調理手順に従います。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、パッケージに “特許技術” や “独自技術” の表示はないのですが、この見た目と原材料に “こんにゃく” を使用ていることから察するに、製法は東洋水産が誇る「マルちゃん正麺(せいめん)カップが打ち立てた「生麺ゆでてうまいまま製法」とみて間違いありません。
セブンプレミアムの商品なので、販売店はセブン&アイに限定されますが、コンビニのセブンイレブンを筆頭に、イトーヨーカドーやヨークベニマル、ヨークマートなど、普段からセブンプレミアムを取り扱っているGMS(ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア)も対象となっています。ちなみに価格は258円(税込278円)に設定されているため、近年の価格水準的に良心的だと感じました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム 飯田商店 担々麺 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:140g(めん70g) 商品コード:4901990373241(JAN) |
発売日:2022年12月12日(月) 実食日:2022年12月16日(金) 発売地域:全国 取得店舗:セブン-イレブン 小売価格:258円(税別) 購入価格:278円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・特製油・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂、乳糖)、添付調味料(しょうゆ、チキンエキス、香味油脂、植物油、ごま、ねりごま、デキストリン、食塩、香辛料、砂糖、脱脂大豆粉、醸造酢、たん白加水分解物)、かやく(味付挽肉、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、かんすい、炭酸カルシウム、増粘多糖類、乳化剤、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE、ローズマリー抽出物)、香辛料抽出物、パプリカ色素、酸味料、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、味付挽肉は見るからにジャンクなタイプになりますが、ネギの乾燥方法がFD(フリーズドライ)なのは嬉しいポイント。ただ、税込278円という価格帯から察するに、比率としては麺とスープにコストを費やしている様子。
かやく以外の小袋は後入れなので、かやくを入れてから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」と「特製油」の小袋を温めながら待つこと5分。容器側面の調理方法には “5分後、粉末スープ、液体スープを加えてよくかきまぜ、特製油をかけて召し上がりください” と記載されている、つまり “特製油を入れてからは混ぜないことを推奨している” ため、調理の際は留意してください。
ちなみにセブンイレブンの公式ウェブサイトやパッケージにも辛味の強さに対する警告はないのですが、念のため唐辛子の辛さレベルや担々麺といえば花椒(ホワジャオ)の痺れにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(140g)あたり |
カロリー:565kcal たん白質:17.9g 脂 質:28.3g 炭水化物:62.3g (糖 質:56.8g) (食物繊維:5.5g) 食塩相当量:6.6g (めん・かやく:2.6g) (スープ:4.0g) ビタミンB1:0.34mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:323mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:565kcal(めん・かやく:312kcal)(スープ:253kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
再現度は低いけど相性は悪くない
店舗の自家製麺は柔らかめに茹で上げられると前述しましたが、それをイメージしているカップラーメンの乾燥麺は熱湯5分しっかり待ってもカタめの歯応えで、加水率は低く、粘りよりも反発性を重視しているような食感。
麺の色味は抑えてありますけど、まるで “絹(シルク)のような” と形容される「飯田商店」の自家製麺には程遠い仕上がりで、あくまでも正麺カップの生麺ゆでてうまいまま製法(特許 第5719064号)の系譜に連なる質感です。
個人的に粘りの強い多加水麺でも食べてみたくなりましたけど、それはさておき後述するスープとの相性は悪くなかったので、結果オーライでしょうか。ちなみに販売期間は冬ど真ん中なので、たとえばポットの保温湯(90〜95度前後)で調理した場合、戻りムラが生じることもあるかと思いますが、暖房の効いた屋内かつ沸騰した熱湯を使えば適切に戻ります。
スープ
漠然と親しみやすいのに斬新
まずは「粉末スープ」だけの状態で味を確認してみたところ、もっとも主張が強いのは煎り胡麻(いりごま)と擂り胡麻(すりごま)で、ほんのり花椒のアクセントを感じるのですが、そこまで痺れは強くありません。やや大きめの粗挽き唐辛子も辛味より芳ばしさを与える意味合いが強く、刺激的な要素は目立ちません。
次に「液体スープ」を加えてみると、スープだけで253kcalという数値が表しているように、練り胡麻(ねりごま)を惜しみなく使用していることが分かるテイストで、いっきに味の重心が低くなるのですが、その練り胡麻と同等の自己主張を放っているのが醤油のキレとコク。
醤油を隠し味に使う担担麺は珍しくないけれど、ここまで醤油の存在を感じる担担スープは珍しく、鶏を中心とした動物系の丁寧な旨みも然る事乍ら、しれっと醸造酢のアクセントも味わいを深めることに寄与しています。
最後に浮かべる「特製油」は辣油(らーゆ)と花椒オイルのミックスで、激辛・激痺クラスではないけれど、比率は若干ながら唐辛子よりも花椒のほうが強く、うっかり喉に引っ掛かったら噎(む)せるくらいの威力はあり、担担麺らしさを強めてくれます。でも、いわゆる担担麺といわれて想像されるような味ではない、独特の出汁(だし)感と醤油感に「飯田商店」らしい個性を感じました。
かやく
適度なジャンクさにも計算を感じる
味付挽肉は食感も風味もインスタント感MAXのジャンクなタイプだったので、洗練さにかける部分は否定できないけれど、それも踏まえた上でスープとの相性がよく、逆に斜め切りのFDネギは洗練された風味と食感で本格的なイメージを底上げ。
ここだけ見ると値段相応とはいえない内容ですが、たっぷりと練り胡麻を使った個性派スープの満足感が高かったので、いい意味で気になりませんでした(容器の底に挽肉が溜まりがちだったので、〆に白ごはんドボン派の方は果敢に攻めちゃってください)。
総評
生麺ゆでてうまいまま製法の乾燥麺は「飯田商店」よりも「正麺カップ」のイメージが強く、具材の内容も値段相応に一歩及ばずではあるものの、醤油と練り胡麻をガツンと効かせたスープは記憶に残ること間違いなし。パッケージには “秘伝のスパイスが決め手” とありましたけど、それ以上に醤油の使い方に個性を感じました。
販売ルートはセブン&アイグループ限定ですが、それだけに取り扱っている店舗は多いと思いますし、税込278円という販売価格も加味しての高評価です。即席カップめん業界でも珍しい担担麺だったので、これを機に触れてみてください【author・taka :a(大石敬之)】