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和歌山の伝説【井出商店】監修カップ麺「豚骨醤油中華そば」2022年はコンビニ向けの縦型BIGで商品化!!

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サンヨー食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2022年10月24日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「和歌山ラーメン 井出商店監修 豚骨醤油中華そば」の実食レビューです。

和歌山ラーメンの存在を全国に広めたレジェンド店「中華そば専門 井出商店」の味わいをカップラーメンで再現!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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井出商店監修 豚骨醤油中華そば 2022

井出商店(いでしょうてん)とは、1953年(昭和28年)7月の創業以来、数々の伝説を打ち立てている中華そば専門店で、通称 “井出系” と呼ばれるジャンルの総本山。創業者である初代店主・井出つや子さん(二代目・井出紀生さんの実母)が引き始めた1軒の屋台を前身とし、現在は和歌山におけるラーメン店の中でも屈指の知名度を誇る名門として、確固たる地位を築き上げました。

昭和28年創業の人気店「井出商店」監修

今回の新商品「和歌山ラーメン 井出商店監修 豚骨醤油中華そば」は、和歌山を代表する「井出商店」監修のもと、まろやかでコク深い「中華そば」の味わいを再現したカップラーメンで、メーカーはサッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品。容器は簡便性に優れた縦型ビッグということで、やや不安が否めない形態ではあるものの、話題性は申し分ありません。

和歌山中華そばのスタイルには、大きく「車庫前系」と「井出系」に分かれ、それを定義付けたのは「新横浜ラーメン博物館」元広報担当の経歴を持ち、後に日本ラーメン協会の副理事長を務め “ラーメン王” の異名を取ることになる故・武内伸(たけうち しん)その人。この呼び分けについて、地元民の間では否定的な意見もあるようですが、ラーメン用語の一つとして軽く特徴を解説しておきます。

車庫前(しゃこまえ)系とは、1940年(昭和15年)創業の屋台を前身とし、和歌山中華そばの礎を築いた「本家 アロチ 丸高(ホンケ アロチ マルタカ)」を源流とするスタイルで、スープは “しょうゆベース” の醤油豚骨味。まだ冷蔵庫が普及していなかった頃、豚骨の保存性を高めるため和歌山産の濃口醤油で煮込み、醤油の味を染み込ませた豚骨を炊いてスープを取る特殊な技法を編み出しました。

写真は「井出商店」の中華そば(本物)

そんな丸高で中華そばの作り方を学び、独立開業した店の多くは屋号に「丸」や「○」を掲げたことから、現在も和歌山の地では丸高に肖り、直接的なルーツがなくても「丸」や「○」を屋号に掲げた中華そば店が目立ちます。それほどまでに「丸高」は絶対的な存在だったのですが、井出商店を発祥とする井出(いで)系は “とんこつベース” の豚骨醤油味を特徴とし、新たな文化を開拓した金字塔。

開業当初の井出商店が提供していたスープは、淀みのない清湯(ちんたん)で、現在とは大きく違ったそうです。しかし、夫に先立たれ、女手ひとつで3人の子どもを育てていた井出つや子さんは、昼間に家業である氷の卸を、夜は中華そばの屋台を営業と働き詰めの毎日で、うっかりスープを炊き過ぎて濁らせてしまいました。そう、いわゆる白湯(ぱいたん)を偶然に発見し、井出系のルーツが生まれます。

しばらくは地元民で賑わう人気店でしたが、1998年(平成10年)1月1日に放映されたテレビ番組『日本一うまいラーメン決定戦』(テレビ東京)で優勝に輝き、放送翌日から大行列。同年10月1日〜1999年(平成11年)5月末までは「新横浜ラーメン博物館」にも出店し、わずか23席の店内で21万2610杯の売り上げを記録。それは前代未聞の伝説として語り継がれ、いまだに記録は破られていません。

「サッポロ一番 名店の味 井出商店 和歌山濃厚豚骨醤油」

そんな「井出商店」監修のカップラーメンといえば、2018年(平成30年)9月25日にサンヨー食品が大判どんぶり型の「サッポロ一番 名店の味 井出商店 和歌山濃厚豚骨醤油」を、さらに遡ると何度か明星食品製造のセブンイレブン限定商品も監修しているのですが、サンヨー食品の縦型ビッグといえば麺の仕様に関する懸念が否めないため、けっこう構えながらの実食です。

開封

フタの上に「仕上げの小袋」を別添

今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「仕上げの小袋」1袋のみで、サンヨー食品の縦型ビッグにおける標準的な仕様。ちなみに4年前「名店の味」を発売した際は、和歌山県全面協力のもと記者会見を開き、新たな定番商品として年間の販売目標は300万個に設定するなど、かなり気合が入っていたのですが、その続編となる2022年10月発売品に和歌山県は関与していません。

想定の範囲内

かやくはチャーシュー、メンマ、花形かまぼこ、ねぎの組み合わせで、まさに和歌山中華そばの王道を地で行くラインナップではあるものの、いずれも縦型カップに合わせた細切れサイズ。それだけ麺とスープにコストを注ぎ込んでいるのであれば、おそらく気にならないと思いますけど、はたしてどうでしょう。

メーカー希望小売価格は245円(税別)なので、2022年10月現在の縦型ビッグにおける標準的な値段。コンビニで購入した場合の税込価格は264円が相場となっており、大手4社の中では「ファミリーマート」「ローソン」「ミニストップ」での取り扱いを確認しているため、販売店の参考になさってください(※コンビニ限定のPB商品ではないので、スーパーやドラッグストアも販売店に含まれます)。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:和歌山ラーメン 井出商店監修 豚骨醤油中華そば
販売者:サンヨー食品株式会社
製造所:太平食品工業 本社工場
内容量:94g(めん70g)
商品コード:4901734047803(JAN)
発売日:2022年10月24日(月)
実食日:2022年10月27日(木)
発売地域:全国
取得店舗:コンビニ(ファミリーマート)
小売価格:245円(税別)
購入価格:264円(税込)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:プラ(PP)
湯量目安:420ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:1袋(仕上げの小袋)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、粉末卵、野菜エキス、しょうゆ)、スープ(糖類、食塩、ポークエキス、しょうゆ、チキンエキス、チキン調味料、ポーク調味料、クリーミングパウダー、酵母エキス、香辛料、ゼラチン)、かやく(味付豚肉、メンマ、かまぼこ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類、アルギン酸ナトリウム)、カラメル色素、炭酸カルシウム、加工でん粉、香料、酒精、かんすい、微粒二酸化ケイ素、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、ビタミンB2、ビタミンB1、ベニコウジ色素、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

油揚げ麺の仕上がりが評価を大きく左右するかも

麺は油で揚げたフライ麺で、待ち時間は熱湯3分。サンヨー食品の縦型ビッグ製品に使われる油揚げ麺は、よくも悪くもスナック的なタイプが大半で、有名店が監修した商品では特に総評の足を引っ張る傾向があります。それは「○○のソウルフード」シリーズで顕著に見られ、今回のパッケージにソウルフードの文字はないけれど、PP樹脂(ポリプロピレン)製の容器は共通点。

ちっちゃい花形かまぼこカワイイ

別添の小袋は後入れなので、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「仕上げの小袋」を温めながら待つこと3分。時間になったら小袋の中身を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり‥‥なんですけど、粉末スープが容器の底に溶け残っていたので、調理の際は容器の底から念入りに混ぜ合わせてください。

ちなみに製造所は太平食品工業の本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4)となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き和歌山の老舗監修による恩恵に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(94g)あたり
カロリー:408kcal
たん白質:9.9g
脂  質:16.2g
炭水化物:55.7g
食塩相当量:6.9g
(めん・かやく:2.2g)
   (スープ:4.7g)
ビタミンB1:0.23mg
ビタミンB2:0.40mg
カルシウム:214mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:408kcal(めん・かやく:335kcal)(スープ:73kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

漠然と中華そばっぽい

4.0

店舗の「中華そば」に使われているのは、やや加水率が低めの細ストレート麺で、スープの繊細な部分を尊重するためか、すこし柔らかめに茹で上げて提供されるのもポイント。それをイメージした油揚げ麺は、店舗の細ストレート麺よりも加水率は低めの設定で、ほとんど粘りはありません。

スープとの相性は良好

またサンヨー食品の縦型ビッグといえばのスナック的な風味だったり、ゆるやかに縮れた形状だったり、歯切れのベクトルだったり、お世辞にもノンフライ麺に見紛うような品質とはいえないのですが、どんなタイプかというと「中華そば」っぽい雰囲気で、いい意味で素朴なイメージ。

もちろん店舗の麺ストレート麺とは大幅にベクトルが異なるものの、後述するスープとの相性は問題なく、ちょっと柔らかめに仕上がるところも店舗の麺を意識していることが伝わってくるポイント。食べ始めは気になった油揚げ麺臭も後半は気にならなくなってきますし、それがスープに酷く干渉することもなかったので、思っていたよりもネガティブではありませんでした。

スープ

あれ? 想像以上に美味しいぞ

5.5

まずは粉末スープだけの状態で味わってみたところ、とろみ成分による粘度の高さが不自然で、いかにもカップラーメンらしいフレームワークというか、そのように感じたファーストインプレッション。しかし、2口目からの余韻は味わい深く、まったりと残る豚骨の旨味とコラーゲン感、そして鼻に抜ける豚脂の芳ばしさが印象的。

見た目は同じだけど「仕上げの小袋」入ってます

続けて「仕上げの小袋」を加えると、液体しょうゆ特有のコクに加え、まったりとした豚骨感も深みを増し、サンヨー食品の縦型ビッグなのに‥‥などと書いたら怒られそうですけどw 期待していた以上に本格的。従来品のように “和歌山醸造醤油10%使用” などの訴求はないのですが、カップラーメンならではの美味しさを大切にしつつ、そこに歯車を合わせた感じ。

豚骨醤油を謳いながらチキンエキスとチキン調味料を併用していますが、店舗のスープも豚骨(げんこつ)9割に対し、鶏ガラ1割をブレンドしているため、これも再現度を高める上で重要な要素。もともと実食前の期待値が低かったことは認めますが、それなりにデフォルメしつつも本格的で、後引く味わいに仕上がっていました。

かやく

花形かまぼことメンマに注目

3.0

チャーシューはチップ状のハムみたいなアレで、青ネギも熱風乾燥のコストが低い資材。どちらも量が多いとはいえず、特別感はありません。しかし、サイズは違えど花形かまぼこは和歌山の中華そばを象徴するアイテムで、メンマは小さいながらに風味が強く、前述のスープに合っていました。ここは及第点と評価していますけど、それだけに特筆した満足もなければ不満もなかったです。

総評

4.0

だいぶカップラーメンらしい方向にデフォルメされていましたが、スープの構成は想像していたよりも味わい深く、いい意味で予想を裏切られました。それに、サンヨー食品の縦型ビッグで悪く作用する傾向がある油揚げ麺の風味も思いのほかネガティブではなかったので、それも評価の上乗せに繋がったポイント。

生粋の「井出商店」ファンからは賛否両論あるかと思いますし、可能であればノンフライ麺で‥‥いや、それはそれで期待値の上昇が仇になっていたかもしれないので、ここが絶妙な落とし所だったのかもしれません。コンビニでの取り扱いも多かったのですが、しばらくすると見かけなると思うので、気になっている方は早めに確保してください【author・taka :a(大石敬之)】

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