どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2020年11月16日(月)新発売のカップ麺、寿がきや食品「味噌麺処花道 味噌担々麺」の実食レビューです。
東京・野方の人気行列店「味噌麺処 花道」の店主が “過去1番の出来” と称賛した歴代カップ麺コラボ史上最高傑作!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
味噌麺処花道 味噌担々麺
味噌麺処花道(みそめんどころ はなみち)とは、東京都中野区野方に店を構える味噌ラーメンの専門店で、創業は2008年9月3日。2014年6月及び2015年5月発売の「味噌麺処花道監修 辛味噌番長ラーメン(番長花道 辛味噌ラーメン)」や2018年10月発売の「花道 煮干し辛味噌ラーメン」など、何度か寿がきや食品とタイアップしたカップラーメンを定期的に発売しているため、名前を知っている方も多いのではないでしょうか。
「味噌麺処 花道」の店主・垣原康(かきはら やすし)氏は、激辛カップ麺の中でも一目置かれる存在 “辛辛魚らーめん” を監修している石神井公園の行列店「麺処 井の庄(めんどころ いのしょう)」の店主・中村泰介(なかむら たいすけ)氏と高校生活を共にした同級生で、お互い「蒙古タンメン中本 池袋店」の元スタッフという共通した経歴の持ち主。
もともと「蒙古タンメン中本」で働いていた垣原氏は、いくつも支店を抱える超有名店ゆえに複雑になってくる内部の人間関係に気を取られ、ラーメン作りに集中することが出来ず「中本」を辞めて次に向かったのが高田馬場にあった「純連(じゅんれん)」の東京店(現在閉店)。もともと味噌ラーメンが好きではなかった垣原氏は、初めて味噌ラーメンを美味しいと感じたらしく、それが自身の店「花道」を “味噌麺処” にした所以。
垣原氏が「味噌麺処 花道」を立ち上げる前、まだ「純連」で働いていた頃にバイクで事故を起こし、靭帯を損傷。松葉杖で店に立つことが出来ず、休みを余儀なくされた際、そろそろ “自分の店を持ちたい” という思いが芽生え始め、ちょうど「純連」の村中社長からも “店を持ったほうがいい” と言われた結果、およそ2年ほど働いた「純連」を退社。
開業のためにパチンコ店で資金を集め、同時に自宅でラーメンの試作を繰り返す日々を送っていた頃、同級生の営んでいた「麺処 井の庄」がメディアに取り上げられて大ブレイク。しかし、スタッフが辞めたことによる人手不足を理由に「井の庄」を畳もうか悩んでいる——と、中村氏が垣原氏に相談したらしく、垣原氏が「井の庄」を手伝うことになり、そこで出会った三河屋製麺の “とある麺” に惚れた垣原氏。
自慢のスープに合う特注の麺を製麺所に依頼する——といった流れは定番の話。けれども垣原氏が三河屋製麺で惚れ込んだ “とある麺” は、醤油・豚骨・魚介系のスープには合わないほど、あまりの力強さにスープを選ぶ麺だったらしく、その麺を飼い慣らすくらい濃厚な味噌ラーメンを作れば間違いない!と確信した垣原氏は「麺にスープを合わせる」他の店では見られないスタイルでスープ作りを開始。
その結果として生まれた「味噌麺処 花道」のスープは、もともと働いていた「純連」の “純すみ系” と呼ばれる赤味噌仕立てのラードたっぷりスープではなく、背脂を浮かべた “東京スタイル” でもない、庶民的な白味噌を基準にしたもので、動物系は豚の背ガラやゲンコツ(大腿骨)、豚足、鶏の胴ガラ、モミジ(鶏の足)を使用しているのですが、いわゆるブランド豚や銘柄鶏などは使っていません。
さらにジャガイモなどの野菜を入れ、スープの炊き方は “大量の食材を煮込んでから濾(こ)す” という「井の庄」で会得した技法を用い、中華鍋で食材を炒めてからスープを入れて煮込む工程となっているのですが、いわゆる味噌ダレやカエシ(醤油ダレ)は使っておらず、あえて近所のスーパーで手に入る神州一味噌株式会社の庶民的な「み子ちゃん味噌」を使っているのも垣原氏のこだわり。
老若男女に愛される “町のラーメン屋さん” を目指して立ち上げたという「味噌麺処 花道」では、あえて “普通のラーメン” を目指しているらしく、しかしながらラーメン通も唸るほど高次元なラーメンを提供している味噌ラーメンの名店。そのグランドメニューにある「辛味噌担々麺」がカップ麺として商品化されたのは、今回が初の試みです。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」と「かやく」に、後入れの「液体スープ」が1袋。液体スープの小袋はズッシリと重く、粉末スープの小袋も大きめですが、かやくは少なめ。寿がきや食品の大判どんぶり型は、しばしば具材が乏しいため、そのボリューム感には期待できそうにない反面、スープの濃度には期待できそうな雰囲気。
麺は熱湯5分のノンフライ麺で、かなり黄色みが強く、以前の「番長」では全粒粉を練り込んだノンフライ麺を採用していましたが、今回の麺に全粒粉は練り込まれていません。なお製造所は加ト吉水産株式会社(テーブルマーク)のフーズ部群馬工場となっていますが、2021年6月末、同工場はテーブルマークから寿がきや食品に譲渡される予定とのこと。
メーカー希望小売価格は税別260円ということで、カップ麺としては比較的に高く、コンビニで購入した場合の税込価格も280円と高めの値段。加えて販売エリアは沖縄除く全国ですが、コンビニだと “セブンイレブン・ファミリーマート・ローソンでは売ってない” らしく「ミニストップ」と「デイリーヤマザキ」が対象となっているようなので、販売店の参考にしてください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:味噌麺処花道 味噌担々麺 販売者:寿がきや食品株式会社 製造所:加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場 内容量:150g(めん70g) 商品コード:4901677082831(JAN) 商品サイズ:φ167×70(mm) |
発売日:2020年11月16日(月) 実食日:2020年11月18日(水) 発売地域:全国(沖縄除く) 取得店舗:コンビニ(ミニストップ) 商品購入価格:280円(税込) 希望小売価格:260円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、小麦たん白、たん白加水分解物)、スープ(みそ、動物油脂、ねりごま、砂糖、香味油、ポークエキス、チキンエキス、食塩、にんにく、香辛料、ゼラチン、唐辛子、たん白加水分解物、ポークプロテイン、酵母エキス、デキストリン、植物油脂)、かやく(肉そぼろ、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、着色料(カラメル、クチナシ、パプリカ色素)、かんすい、炭酸カルシウム、増粘剤(加工デンプン)、酸化防止剤(V.E)、甘味料(キシロース)、香料、(一部に小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
先入の小袋は「粉末スープ」と「かやく」の2袋、粉末スープを開封した瞬間、ほんのり花椒の香りが漂います。なおカップ麺のパッケージに辛さレベルなどは記載されていませんが、味噌麺処花道で提供されている実際の「味噌担々麺」は “けっこう辛い” との評判・口コミが多く、寿がきや食品のカップ麺は辛味を強めに効かせてくる傾向にあるため、もしかすると意外なビンタをかましてくるかも——
などと思いながら熱湯5分、別添の液体スープは後入れなので、お湯を注いでから待っている間に液体スープの小袋をフタの上で温めたあと、食べる直前に加えて混ぜたら出来上がり。なるほど液体スープを加えた瞬間、濃厚な味噌の香りが漂うのと同時に花椒とラー油、胡麻の香りが担担らしさとオリジナリティを表現している実食前。
ちなみに油揚げ麺と比較して大幅にカロリーと脂質が低いノンフライ麺を採用しているのに対し、カロリーは516kcal(めん・かやく:279kcal / スープ:237kcal)と高く、脂質も20.6gと高めの値。さらに食塩相当量も9.5g(めん・かやく:2.4g / スープ:7.1g)と数あるカップラーメンの中でも高めの値となっているため、どちらかといえば熱量や脂質よりも塩気の強さが気になるところ‥‥
というわけで、濃厚さの指標や辛味の強さにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(150g)あたり |
カロリー:516kcal たん白質:15.0g 脂 質:20.6g 炭水化物:67.8g 食塩相当量:9.5g (めん・かやく:2.4g) (スープ:7.1g) カルシウム:146mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:516kcal(めん・かやく:279kcal)(スープ:237kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
今回のスープと相性抜群
「味噌麺処 花道」の実店舗で使われている麺は、花道の開業前「麺処 井の庄」時代から付き合いのある三河屋製麺の中太ストレート麺で、加水率は高く、使用している小麦は100%国産小麦。もともと三河屋製麺の工場でも出荷数の少なかったじゃじゃ馬で、その麺に出会ったからこそ現在の「味噌麺処 花道」が生まれました。
対して今回のカップ麺には縮れの強い平打ち多加水麺を採用しているため、形状の再現度が高いとはいえないものの、熱湯5分で強い存在感を放っていた小麦の芳醇な香りは素晴らしく、液体スープを入れる前に “おっ” と手が止まったほど。食べ始めの食感は力強いコシが魅力となっているのですが、徐々にモチモチとした粘りが目立ち始め、後述する濃いめのスープにも負けません。
おそらく既存のノンフライ麺を使い回しているはずなので、今回が初採用の麺ではないと思いますが、もともと寿がきや食品(加ト吉水産)の多加水ノンフライ麺は濃いめのスープと相性がよく、今回も然り。濃いめのスープが小麦の風味を引き立ててくれる、これ以上にないほど綺麗にハマっていたので、たしかな食べ応えと同時に高い満足感が得られました。
スープ
中毒性注意!!
粉末スープは人工的な旨み成分と粉末の赤唐辛子、それらか若干の花椒で構成され、ほとんど花椒の痺れは主張してこなかったのですが、粉末スープだけの状態で辛さレベルはピリ辛くらい。これといって特筆すべきポイントはないかと思いきや、濃度の高いカップ麺のスープにありがちなトロミ成分が気にならなかったので、そこに好感が抱けました。
しかし、液体スープを加えたあとは、ナチュラルに高粘度。液体スープはドロッとした大量の味噌を筆頭に、ねりごまを多めに加え、芳醇な豚骨の旨みと辣油の辛味を効かせているのですが、実際の辛さレベルはピリ辛のライン。味噌は白味噌を基調にしつつ、赤味噌のキレも強めに効かせ、なるほど食塩相当量に比例して濃いめの味わいを打ち出しながら、闇雲に尖ったスープではありません。
かなり味噌の主張が強い分、純粋な担担スープとは異なるのですが、ねりごまの風味も味噌に負けないくらい強く、ラー油の辛味と花椒のアクセントが一般的な味噌ラーメンにはない個性を表現。さらに生おろしニンニクのパンチも強いので、濃いめの味でも思わず箸が止まらない、かなり中毒性の高いスープに仕上がっていました。これ、白ご飯との相性も抜群ですよ。
具材
具材は、まぁ‥‥(苦笑)
具材は肉そぼろにネギとシンプルな構成で、税別260円のカップラーメンとは思えないボリューム感。いくらノンフライ麺を使用しているとはいえ、貧弱といわざるを得ない量ですが、ネギの風味はよく、ちゃんと肉そぼろが本物なのも好印象。
近年、コストカットを理由に大豆たん白加工品(フェイクミート)を使用している企業が多く、ちょいちょい寿がきや食品も使用しているのですが、今回の肉そぼろはスパイシーな肉そぼろでパンチのある味付け。インスタント感の強い舌触りではあるものの、スープとの相性は悪くありませんでした。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
コンビニで購入した場合、税込280円と高価な部類に入るため、それに伴っていない具材の貧弱さを許容しなければいけないのですが、なるほどスープの味は店主が “過去1番の出来” と称賛したのにも頷ける出来栄え。汎用のノンフライ麺もスープとの相性がよく、具材さえ許容できれば値段以上の一杯だと感じました。
寿がきや食品のカップ麺は沖縄に流通していないのと、ミニストップを除くコンビニ大手3社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン)には売っていないようですが、ミニストップとデイリーヤマザキでの取り扱いは多いようなので、濃厚な味噌担々麺が気になる方は要チェックです(author・taka :a)