どうも、taka :aです。
本日の一杯は、日清食品の定番カップ麺、「日清のどん兵衛 きつねうどん」のアレンジレシピ、「バターどん兵衛」の実食レビューです。
突然ですが、「どん兵衛」に「バター」をちょい足しするとヤバいらしい‥
そんなにヤバいの‥? というわけで、実際に作って食べてみました。どれくらい入れたらいいのか適量も割り出してみたので、お時間よろしければ最後までお付き合いください。
カップ麺アレンジ「バターどん兵衛」
これは最近になって知ったアレンジレシピなんですけど、なにやら2016年6月頃に流行っていた食べ方らしく、いやもうぜんぜん知らなくてw どん兵衛にバターかぁ‥などと思いつつ情報を集めていたら、「かなり美味しい!」という評判から「激まず‥」という否定的なクチコミまで様々だったので、じゃぁ試してみようじゃないかと。
そのまま食べても美味しい「どん兵衛」ですが、いつでも買える定番品だからこそ、もっと美味しい食べ方やトッピングがあるなら試さない手はありません。と、その前に‥ちょっと「どん兵衛」の歴史を振り返ってみましょう。
「日清のどん兵衛」(にっしんのどんべえ)とは、和風即席カップ麺及び袋麺、チルド麺、冷凍麺、加工米飯などの亜種製品もある日清食品が製造・販売している主力ブランドの一つで、カップ麺の「きつねうどん」が発売されたのは1976年(昭和51年)8月。業界初となる「どんぶり型容器」を採用し、発売当初から東日本(E)と西日本(W)でつゆの味に違いがありました。
その当時、爆発的なヒットを見せていた世界初のカップうどん、東洋水産「マルちゃんのカップうどんきつね」(「赤いきつねうどん」の前身)に特許申請がなく、それに対抗する形でリリースされたのですが、今では言わずと知れたトップブランドに成長し、「きつねうどん」の発売から3ヶ月後の1976年(昭和51年)11月に同シリーズの「天ぷらそば」がリリースされます。
今では慣れ親しみのあるブランド名の「どん兵衛」というネーミングですが、実は「うどん」の「どん」だけでなく、関西弁の「鈍臭い」(どんくさい)という言葉にも由来しているのをご存知でしょうか。使う相手や発音のニュアンスにもよりますが、基本的に「どんくさい」は褒め言葉ではありません(笑)
しかし、 “スマートさからは程遠いが、ほのぼのとした温かさと筋を曲げない頑固さや正直さを表現したネーミング” として、社内からの反対意見を押し切り、日清食品の創業者・安藤百福(あんどう ももふく)氏の次男で日清食品の3代目社長・安藤宏基(あんどう こうき)氏が採用を決定します。どん兵衛、いい響きですよね。
「バター」とは‥これについて特に詳しい解説は不要かと思いますがw 厚生労働省の乳等省令には “生乳、牛乳又は特別牛乳から得られた脂肪粒を練圧したもの” と定義されている牛乳の脂肪を分離して固めた乳製品です。ちなみに漢字で書くと、「牛酪」(ぎゅうらく)。
およそ紀元前2000年頃からバターらしきものが作られていたとされ、旧約聖書の中にも「かくてアブラハムはバターを取り、乳を取り――」という一節があるほど歴史は古く、食用としての利用は紀元前60年頃のポルトガルが最初といわれており、それからベルギーやフランス、ノルウェーなどのヨーロッパ各地に広がっていきました。
日本でバターの製造が始まったとされているのは明治5年(1872年)、もちろん現代でも日本産のバターは一般のスーパーマーケットでも販売されていますが、基本は洋風の料理や製菓材料としての利用がメインで、明太クリームなどの創作うどんでもない限り、通常うどんに使用されることはありません。さて、ほぼ純和風の定番どん兵衛との相性はいいのでしょうか‥
作り方とポイント
アレンジに必要なものは、「日清のどん兵衛 きつねうどん」1食と「バター」のみ。ご存知「どん兵衛」の定番品は「東日本」(E)、「西日本」(W)、「液体つゆ仕上げ」(東日本限定)、「北のどん兵衛」(北海道限定)と4種類の味に分けられているのですが、私は西日本(兵庫県)に住んでいるので、使用するどん兵衛は西日本の味になります。
西日本の味は東日本と比較して醤油感が弱く出汁(だし)を重視しており、彩り七味は山椒の含有量が少し多めにブレンドされていて、油揚げは鰹と昆布だしでまろやかに仕上がっているのが特徴です。また、バターを選ぶ際にもポイントがあるようで‥‥
今回は雪印メグミルクの「雪印北海道バター(10gに切れてる)」を使用するのですが、無塩バターではなく「有塩バター」を使用するのも重要らしく、無塩バターよりも旨味の増幅作用が大きくなるそうです。そして、バターは「ちょっと入れ過ぎかな?」ってくらい、たくさん豪快に入れるのもポイント、目安はゴルフボール1個〜2個分とのことなので、とりあえず30gくらい入れてみましょうか。
ちなみにパーレン(丸型の括弧)内の「(10gに切れてる)」というのは私が勝手に補足した説明ではなく、この「(10gに切れてる)」までが雪印メグミルクの定めた正式な商品名です(笑)。いいですよね、わかりやすくて。切れ目がある分ちょっと割高なんですけど、だいたい10gが目分量でわかるのは助かります。ってことは、3切れか‥‥
カップ麺の製品情報・購入価格
製品名:日清のどん兵衛 きつねうどん[西] 製造者:日清食品 製造所:静岡工場(製造所固有記号[F]) 内容量:95g(めん74g) JANコード:4902105002674 希望小売価格:180円(税別) 発売地域:全国(西日本) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:どんぶり型レギュラーサイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(彩り七味付き粉末スープ) |
アレンジ開始
先ほど「有塩バターを使用することがポイント」と書きましたが、もうひとつ重要なポイントは「お湯を注ぐ前にバターを入れる」こと。これによってスープ(つゆ)や麺にバターが馴染み、より美味しく仕上がるのだそうです。それにしても切れてるバター3切れをレギュラーサイズどんぶり型のカップ麺に入れてみたら、けっこうインパクトがありますね。
お店で確認した時は程よいサイズだと思ったテレビなのに、いざリビングに設置してみたら異様にデカいぞコレどうする‥? みたいな心境といいますか、スーパーで買った刺身用の短冊を家で切ろうとしたら妙に大きかった‥みたいな。参考目安「ちょっと入れ過ぎかな?」‥‥ふつうに入れ過ぎたかもしれないw
などと思いながら熱湯を注いで5分待機したら完成なんですけど、5分後に広がるのは黄金のバター膜で、写真の向かって左側にあるネギの沈み具合で膜の厚みが伝わるでしょうか‥‥(※湯気が立ちません)。ちなみに「雪印北海道バター(10gに切れてる)」の栄養成分表示は、1食分(10g)あたりのカロリー73kcal、脂質8.1g、食塩相当量0.14gとなっているので(あ、有塩バターでも食塩相当量は大したことないですね)、その3倍ということは‥‥
ざっと計算して「日清のどん兵衛 きつねうどん[西]」のカロリー409kcal+バターのカロリー73kcal×3(219kcal)=628kcal、脂質16.5g+8.1g×3(24.3g)=40.8g(マジかw)、食塩相当量5.6g+0.14g×3(0.42g)=6.02gということで、もともと高い食塩相当量はバターによって大幅に跳ね上がるわけではありませんし、628kcalも汁なしカップ麺なら別に珍しい数値でもありませんが、脂質40.8gはエグいぞ(苦笑)。
これバターの上乗せ分を数値化しちゃだめですね‥‥気持ち的にw いや、攻略してみせますよ私は(※謎の使命感に燃えている)。それでは、実際に食べてみましょう。「めん」「つゆ」「かやく」の順に解説し、どのくらい変化するのか味の違いを解説します。
1食(95g)当たり
熱 量:409kcal(+219kcal) ※右パーレン内の数値はバター30g上乗せ分 |
※参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:409kcal(めん・かやく:368kcal)(スープ:41kcal) |
めん
湯気が立たないほどの黄金バター膜によって、つゆの保温効果がオリジナルと比較して比べ物にならないほど高く、かなり長時間アツアツ温度がキープされるので、だいたい7分前後で「10分どん兵衛」の状態になります。これについては耐久性に優れている「どん兵衛」ならではの魅力なので、現状だと他の和風カップうどんでは真似できません。
「10分どん兵衛」とは、どん兵衛のツイッター公式アカウントが “【おわび】正直申し上げますと、日清食品は10分どん兵衛という方法を知りませんでした。 ここにお詫びします。マキタスポーツさん、教えていただきありがとうございました” という謝罪のツイートを発信したことでも話題になったのですが、つやつやモチモチふっくらジューシーな食感で、つゆとの一体感も高くなり、あえて2倍待つだけの価値があると評判の食べ方です(作り方は熱湯を注いで10分待つだけ)。
しかしながらバターどん兵衛の場合、味は‥めちゃくちゃジャンクですよw 食べ始めこそ「あれ? なんだ、こんなもんか。強烈な見た目のわりに意外と食べやすい‥」などと思ったりもしたのですが、そのファーストインプレッションは錯覚に過ぎません。どんどん蓄積されていく油揚げ麺+バターのボディブローに気が付いた時、それはもう手遅れです。優しい口当たりと食感なのに重いw ある意味、カロリーや食べ応え的なコスパは高いかもしれません。
つゆ
もちろん「どん兵衛」なので、ベースは和風つゆです。ただ、それは「どん兵衛」と知っているから “かろうじて記憶が判断できるレベル” であり、ほぼほぼバター味ですねコレはw バターの量が10gや20gだったり有塩・無塩、製造メーカーの違いによって味わいは変化すると思うのですが、とりあえずバター風味は避けられません。
しかも思っていた以上にバターの浸透率(侵略率?)が高いというか、もっとこう‥「下は和風つゆ! 上はバター! 二層の味が楽しめる♪」みたいな味を想像していたんですけど、粉末スープを溶かすためによくかき混ぜたらバターめっちゃ馴染むんですよ。想像以上の一体感w
コクとか味の深み? そういったものを論じる次元にはいらっしゃらなくて、もはや「飲むバター」と化しています。もちろん100%バターではないので、ガチの飲むバターではないのですが、どん兵衛でもないw 繊細な味どうこうを語り合う食べ物ではなくて、いかに背徳感を楽しめるかどうか、というのが勝敗の分け目なのかもしれません。
とりあえず彩り七味にヘルプを求めてみたんですけど、何の事は無い想像通りバターに七味唐辛子でしたw もちろん多少なりとも清涼感は得られますが、ベストマッチかと言われたら黒胡椒のほうが合いそうです。
かやく
たぶん3切れのうち1切れが油揚げの上にのっていたのも原因かもしれませんが、そもそもバター膜によって具材に熱湯が浸透しにくくなるので、「ふっくらおあげ」は硬めの食感で弾力が増し、「かまぼこ」についてはいまだかつてないモチモチ感を打ち出しますw
かまぼこの食感は面白かったし、弾力を増した油揚げも食べ応えあったんですけど、ふつうに調理したほうが美味しいかな。あ、でも具材の食感に関してはバターを後入れしたら解決ですね。バターが染み込んだ油揚げというのも背徳感すごくて面白かったけど(笑)
まとめ
どん兵衛にバターを入れたら予想外の化学反応が起きるのかと期待していたのですが、バター味の和風カップうどんでした。ええ、それ以上でも以下でもありません。ただ、どう考えてもバターの主張が強過ぎる‥。
よほどのバター好きなら手放しに好印象かもしれませんが、もはや次元が耐久性のある麺を除いて「どん兵衛」ではないので、万人にオススメすることはできません。じゃぁバターの量を減らしたらどうなるんだ? と思い、レビューし終わった後にバターの量を10g(切れてるバター1切れ)で作ってみたところ‥
けっこう美味しいぞw いつも通り大きな油揚げはふっくらジューシーですし、かまぼこもプリッと自然な食感。また甘めに味付けされた油揚げとバターの風味は油揚げ優勢で異色ながらに絶妙。麺を食べ進めても最後まで思いもよらないボディーブローを叩き込まれることもありませんw 和風つゆに溶け込む適度なバターのコクは意外にも喧嘩することなく、不思議なマッチングを果たしていました。
というわけで当ブログが推奨するバターの量は、切れてるバターなら1切れ(10g)。だいたいバター10gの寸法は2.5cm×2.5cm×2cmなので、サイコロ型に換算すると一辺が約2.3cmの大きさをイメージしてください(なんだったら5〜7gくらいが適切に思います)。これによって「どん兵衛」らしさを駆逐することなく、いつもとは違ったマイルドで濃厚かつ背徳的なアレンジなるので、バターを入れすぎないように注意しながら「ちょい足し」で試してみてください。