どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年6月14日(月)新発売、日清食品のカップ麺「カップヌードル カラアゲレモン味 ビッグ」の実食レビューです。
近未来ハイブリッドミート “謎肉” が斜め上に進化!? 新具材「謎肉カラアゲ」で唐揚げにレモンをかけた “あの味” を「カップヌードル」で再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードル カラアゲレモン味
カップヌードル(CUPNOODLE)とは、日清食品が “世界初のカップ麺” としてリリースしたロングセラーで、1971年(昭和46年)9月18日、東京都新宿区の伊勢丹百貨店を皮切りに販売をスタート。まだ袋入りのインスタントラーメンが25円〜35円で取り引きされていた当時、カップヌードルの売り出し価格は100円と高価な食べ物だったので、あまり店頭に並ぶことはありませんでした‥‥というのは、知る人ぞ知る話。
そこで当時の日清食品は、カップヌードルの発売から数日後に「カップヌードル営業課」を発足。なかでも消防署や警察署、自衛隊、病院など、夜勤の多い特殊ルートに営業をかけ、最初の大口顧客となったのが自衛隊。そんな経緯もあり1972年(昭和47年)2月の「あさま山荘事件」で機動隊に配られ、カップヌードルを食べる様子がテレビ中継で繰り返し流された結果、生産が追い付かなくなるほどの爆発的な売り上げを記録します。
今回の新商品「カップヌードル カラアゲレモン味 ビッグ」は、昨今の新しい消費者行動 “巣ごもり消費” で需要が増している「唐揚げ」の味わいを「カップヌードル」流に表現した新フレーバーで、3種のスパイス(ガーリック、ジンジャー、ブラックペッパー)を効かせたチキンスープに、爽やかなレモンの酸味をアクセントに加えた、飽きのこない味わいが特徴とのこと。
また大豆たん白を主原料とする新具材「謎肉カラアゲ」を採用しているのも見どころで、パッケージには漫画調のイラストをあしらい「謎肉カラアゲ…こいつは一体!?」「知らない!? あの謎肉が進化した大豆が原料の新食感カラアゲを!!」と、カップヌードルらしいキャッチーなセンスで魅力をアピールしています。
あらためまして謎肉(なぞにく)とは、定番の「カップヌードル」に入っているダイスミンチ(現在の正式名称は「味付豚ミンチ」)の愛称で、豚肉や野菜(大豆)などをミンチ状にし、フリーズドライ加工した具材のこと。2005年(平成17年)頃から広まったネットスラングを語源としていますが、1971年(昭和46年)9月に登場した「カップヌードル」の発売当初から入っている最古参のトッピング。
カップヌードルの発売から45年以上、日清食品が原材料を隠していたことを理由に「謎肉」と呼ばれ始めたのですが、2017年(平成29年)9月18日に初めて公式が “謎肉の正体は豚肉と大豆が主原料である” と発表し、ネット民も騒然。現在は公式も「謎肉」という呼び名を積極的に使うようになり、それに特化した関連商品を積極的に開発するようになりました。
たとえば毎年恒例となっている「謎肉祭(なぞにくまつり)」や「謎肉丼(なぞにくどん)」をはじめ、2017年6月26日には「カップヌードル チリトマトヌードル」に鶏肉ベースの “白い謎肉” を導入。2018年には「珍種謎肉」シリーズでバリエーションを広げ、2020年から冷凍食品「謎肉焼豚(チャーハン)」を定番化させるなど、すっかり一般の方にも浸透した「謎肉」という呼び名。
実は2015年(平成27年)4月6日にも「カップヌードル カラアゲ キング」という “カラアゲをテーマにしたKINGサイズのカップヌードル” を発売しているのですが、それにはナゲット系の唐揚げ(鶏肉)を使っていたのと、レモンのアクセントは意識されていなかったので、大豆が原料の新具材「謎肉カラアゲ」とは如何なるものか、加えて3種のスパイスを効かせたチキンスープとレモンの効かせ方に注目しながらレビューします。
開封
爽やかなレモンの酸味をアクセントに加えた-・ということで、レモン果汁もしくはレモンパウダーの入った小袋を貼り付けているのかと思いきや、今回のカップ麺に小袋は別添されていません。ただ、フタの上でも調理後のイメージ写真に加え、漫画ライクなタッチで「なんだ!? この、いい香りは…(お湯を入れて、3分経った時だった)カラアゲ×レモン 無敵のフュージョン!!!!!」と、商品の魅力を勢いよくアピールしています。好きw
具材はメインの謎肉カラアゲを筆頭に、キャベツ、スクランブルエッグ、ネギとシンプルな構成で、原材料名上「謎肉カラアゲ」は “からあげ風大豆たん白加工品” と記載。前述のように大豆を原料とした具材なので、鶏の唐揚げやチキンナゲットを搭載しているわけではないのですが、見た目は唐揚げっぽくて期待が持てる実食前。
ちなみに2021年6月から順次、プラスチック原料の使用量を削減するため、レギュラーサイズの「カップヌードル」から “フタ止めシール” を廃止。新たに開け口を2つにした新形状の「Wタブ」を採用しているのですが、今のところレギュラーサイズのカップヌードルだけが対象なので、引き続き「カップヌードル ビッグ」シリーズには容器の底にフタ止めシールが付いています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル カラアゲレモン味 ビッグ 製造者:日清食品株式会社 製造所:S・関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1) 内容量:96g(めん80g) 商品コード:4902105267295(JAN) |
発売日:2021年06月14日(月) 実食日:2021年06月15日(火) 発売地域:全国 取得店舗:スーパーマーケット 商品購入価格:213円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:-(別添なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、チキンエキス、ポークエキス、しょうゆ、ポーク調味料、香味調味料、香辛料)、スープ(香辛料、食塩、糖類、豚脂、クリーミングパウダー、チキン調味料、レモン調味料)、かやく(からあげ風大豆たん白加工品、キャベツ、味付卵、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸Ca、かんすい、増粘多糖類、香辛料抽出物、カラメル色素、カロチノイド色素、酸味料、セルロース、酸化防止剤(ビタミンE)、ベニコウジ色素、乳化剤、炭酸Mg、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
今回のカップ麺に小袋は別添されていないので、外装フィルムを破り取った後、フタを半分まで剥がし、熱湯を注いで待つこと3分——。しばらくするとレギュラーサイズのカップヌードルからフタ止めシールが完全に消えちゃうんだなぁ‥‥などと感慨深い気持ちになりながら、それはさておき待っている間に漂ってくる香りは明らかに通常のカップヌードル(洋風しょうゆ味)とは別物で、ほんのりレモンの香りがイイ感じ。
あとは熱湯を注いで3分後、よくかきまぜたら出来上がり。フタの上に印刷されていた調理後のイメージ写真を見ても思いましたが、実際に調理した後の「謎肉カラアゲ」も思っていた以上に唐揚げっぽく‥‥というよりも、ナゲットと表現するのが適切でしょうか。いずれにせよ大豆たん白加工品とは思えない、けっこうリアルな仕上がりで、スパイシーな香りが食欲を刺激。
なお一部の地域では売ってない場合もあるかと思いますが、実際に立ち寄ったコンビニではローソン、ミニストップ、セブンイレブンでの取り扱いを確認したので、販売店の参考にしてください。それでは、引き続きカラアゲ感とレモンのアクセントに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(96g)あたり |
カロリー:438kcal たん白質:10.4g 脂 質:18.6g 炭水化物:57.3g 食塩相当量:7.2g (めん・かやく:3.3g) (スープ:3.9g) ビタミンB1:0.31mg ビタミンB2:0.34mg カルシウム:135mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:438kcal(めん・かやく:398kcal)(スープ:40kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
実は原材料名が特殊
国内で製造されている「カップヌードル」の油揚げ麺は、いくつかの雛形が存在し、それを使い回すことで生産コストを抑えているのがポイント。もちろん今回のような変わり種も例外ではないのですが、念のため原材料名を確認したところ「小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、チキンエキス、ポークエキス、しょうゆ、ポーク調味料、香味調味料、香辛料」と完全に一致する商品が見当たりません(2021年6月15日現在)。
しかし、もっとも近いのは「カップヌードル」の原材料名〔小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、チキンエキス、ポークエキス、しょうゆ、ポーク調味料、たん白加水分解物、香辛料〕で、たん白加水分解物と香味調味料を入れ替えたようなフレームワーク。若干ながら普段のカップヌードルよりも加水率を下げているように感じたのですが、厳しく分析しなければ “いつもの麺” という感想に落ち着きます。
なお「カップヌードル」の油揚げ麺は、いつもの約2mm幅を基準とし、スープの味が強い「カレー」「チリトマトヌードル」「味噌」には約3mm幅の太麺を合わせ、数年前まで「シーフードヌードル」のみ約1.8mm幅と細めに切り出されていたのですが、現在は約2mm幅と約3mm幅の2種類に統一。今回は約2mm幅の麺だったので、大盛りでも食べやすく、それでいて適度に食べ応えがありました。
スープ
後半にかけて盛り上がるタイプ
原材料は「香辛料、食塩、糖類、豚脂、クリーミングパウダー、チキン調味料、レモン調味料」と驚くほどにシンプルで、しかしながら複雑なテイスト。いつもの洋風しょうゆ味(オリジナル)とは完全に別物で、例えるなら既存の「SiO(しお)」に通じるところがあり、そこから別添の燻製オリーブ風オイルを抜いてチキンの旨みを強化、さらにレモンのアクセントをプラスしたような洋風しお味。
レモンの酸味は控えめですが、風味としての存在感は明確で、新具材の「謎肉カラアゲ」から滲み出る衣の風味と強めのガーリック、そしてブラックペッパーを中心とする香辛料の複雑なアクセントが重なった結果、なかなかどうしてカラアゲっぽい。とはいえ大分の「中津からあげ」や北海道の「ザンギ」というよりも、イメージとしてはローソンの「からあげクン」にありそうな‥‥伝わりますかねw
ファーストインプレッションは “あっさり” としていたのですが、食べ進めるごとにチキンの旨みが蓄積され、なおかつ香辛料とレモンのアクセントが絶妙に絡まってくる、大盛りでも最後まで食べ飽きることのない、じわじわ中毒性の高いスープに仕上がっていました。
具材
大豆だからってバカにできない
キャベツ、ねぎ、スクランブルエッグ(味付卵)については、ほかの商品にも使われている汎用の具材なので、正直これといって目新しい部分はないのですが、じわじわスパイシーなスープとキャベツの相性はよく、ほんのり甘いスクランブルエッグもスープと対比を描くようにフィット。またカラアゲのモチーフが鶏なら親子になりますし、そういった意味でも取り合わせは悪くありません。
で、本命の「謎肉カラアゲ」なんですけど、ぶっちゃけ “謎肉” らしさについては皆無に等しく、そもそも肉ではありません。しかし、表面の衣は某チキンナゲットよろしくジャンクな味付けは素直に美味しくて、そこから滲み出る旨みがスープにも寄与。タイプとしては食べてみてもナゲットっぽいのですが、いい意味で大豆らしさを感じさせない、これからの将来を担うポテンシャルの持ち主でした。
総評
新開発の「謎肉カラアゲ」に不透明な “謎” はなく、そもそも “肉ではない” ですし、しょうゆベースが基本の唐揚げというよりも全体的に洋風(チキンナゲットとかフライドチキンとか)のイメージが強い仕上がりとなっていたのですが、これイイですよ。
もともと「カップヌードル」は発売前から世界を狙っていたブランドなので、日本の「唐揚げ」を “カップヌードル流に表現したら洋風になった” という流れにも納得できますし、それを見事に体現。どうせ大豆(フェイクミート)だろ? などと侮っていた「謎肉カラアゲ」の出来も素晴らしく、今後の展開が楽しみなりました【author・taka :a(大石敬之)】