どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年7月2日(火)新発売のカップ麺、サンヨー食品「セブンプレミアム たまねぎたくさん さばだし塩ラーメン」の実食レビューです。
メディアでも話題の栄養素「EPA」を1食で217mg摂取できる健康的なカップラーメンがセブンイレブン限定で新登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
たまねぎたくさん さばだし塩ラーメン
ノーアナウンスでリリースされた今回の新作カップ麺「セブンプレミアム たまねぎたくさん さばだし塩ラーメン」は、セブン&アイグループとサンヨー食品株式会社(サッポロ一番)の共同開発商品で、同じセブン系列でもスーパーマーケットには売ってない「セブンイレブン限定」の縦型コンビニPBカップ麺です。
近年ではカロリーオフや減塩、さらに糖質制限(低糖質)にも配慮した機能系カップ麺も珍しい話ではなくなりましたが、この業界ではありそうでなかった「EPA」に着目。もちろん経済連携協定(Economic Partnership Agreement)のEPAではなく、青魚の油に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)のほうで、1食あたりEPA217mg入りとのこと。
「EPA」とは、ほぼヒトの体内では作ることのできないオメガ3系多価不飽和脂肪酸という必須脂肪酸(essential fatty acid)の一種で、イワシなどの青魚やマグロの脂身に多く含まれているエイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid)の略称。不飽和脂肪酸とは、あまり身体によくないとされる肉やバターなどの飽和脂肪酸とは違い、アボカドやオリーブオイルなどに含まれる身体にいい良質な油を指します。
同じく青魚から摂れる不飽和脂肪酸といえば「DHA」も有名ですが、DHAとはドコサヘキサエン酸(Docosahexaenoic acid)の略称で、DHAは “脳にいい” とされている成分。それに対して「EPA」は「血液サラサラ効果」や「中性脂肪値の低下」、また「血管年齢を若く保つ」効果もあるとして注目され始めました。
血液がサラサラになるということは、つまり心臓病や脳梗塞、動脈硬化などになるリスクも低下すると言われているのですが、同時に「薄毛予防」にも効果があるとして話題になり、いわしの缶詰がバカ売れした時期も――と、それはさておき今回は「たまねぎたくさん」ということで、さらに血液サラサラ効果が期待できそうな雰囲気。
玉ねぎから血液サラサラ効果を引き出すには繊維を断ち切るように刻み、15分~20分ほど常温のまま空気に晒して水さらしは厳禁‥‥などの条件が伴うのですが、とりあえずイメージとしては悪くありません。それに鰹や煮干ではなく「さばだし」というのも珍しいポイントになっているのですが、ちょっと気になるカップ麺の新商品が同じ週にリリースされています。
今回の「セブンプレミアム たまねぎたくさん さばだし塩ラーメン」(写真左)はサッポロ一番ことサンヨー食品が担当しているのですが、マルちゃんこと東洋水産からも2019年7月第1週の新商品として、宮城県石巻市飯野川地区のご当地ラーメンを再現した「日本うまいもん サバだしラーメン」(写真右)という縦型ビッグサイズのカップ麺を発売。
「日本うまいもん サバだしラーメン」は販売ルート(取扱店)や地域を問わず全国発売ということで、メーカーも販路も容器のサイズも違いますが、どちらも「サバだし」がテーマの新商品。こういう偶然って実は多かったりするんですけど、マーケティング部で相談しているのか、何らかの示し合わせを感じますよね。
開封
さて、まずは熱湯を注ぐ前にフタの上に貼り付けてある別添の小袋「調味油」を取り外さなければいけないのですが、めちゃくちゃ接着剤が強力です。わりと最近はポロッと取れることも多くて拍子抜けだったんですけど、サンヨー食品あるあるですね。通常、調味油は豚脂または鶏脂などの動物油脂、もしくはパーム油などの植物油脂を主体に構成されているのですが、今回は魚系のオイルだと嬉しいところ。
いざ開封すると「たまねぎたくさん」という商品名通り、ちゃんと玉ねぎがたくさん入っていて好印象――なんですけど、怪しい灰色の物体が目を引きます。こんな具材は何年もカップ麺を食べ続けていて初めて見たのですが、原材料名には「魚介練り製品」とあり、セブンイレブンの公式ウェブサイトには「いわし風味つみれ」と説明書きがありました。
ちなみに2018年~2019年7月現在までの間にセブン&アイグループとサンヨー食品の共同開発としてリリースされた「○○たくさん」系は、期間限定商品の「わかめたくさんあさりだし塩ラーメン」や「ほうれん草たくさんミルク仕立て塩ラーメン」「野菜たくさんタンメン」、また通年商品に格上げされたと思われる「黒ごまたくさん担担麺」もあるので、その流れを汲んでいるような印象です。
容器側面の製造所固有記号は「A」となっているのですが、これはサンヨー食品グループの太平食品工業の本社工場のこと。太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、サンヨー食品(サッポロ一番)の本社工場で製造されている、といった解釈で問題ありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム たまねぎたくさん さばだし塩ラーメン 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 本社工場(A) 内容量:68g(めん50g) 商品コード:4901734038054(JANコード) 商品サイズ:縦100mm×横100mm×高さ110mm 発売日:2019年07月02日(火) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:縦型レギュラー・標準サイズ 容器材質:紙 湯量目安:330ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん〔(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、粉末卵)〕、スープ(食塩、糖類、魚粉、植物油脂、魚油、豚脂、いわしエキス、チキンエキス、香辛料、調味油脂、酵母エキス、ユズパウダー)、かやく(フライドオニオン、魚肉練り製品、玉ねぎ、ねぎ、唐辛子)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、増粘剤(キサンタン)、クチナシ色素、香料、かんすい、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、イカスミ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・いか・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】卵・乳成分・小麦・いか・さば・大豆・鶏肉・豚肉(特定原材料及びそれに準ずるものを表示) |
実食開始
調理前の麺は中細サイズの黄色い油揚げ麺で、縮れは緩やかに見えます。「わかめたくさん あさりだし塩ラーメン」の麺にはサッポロ一番の秀作ブランド「和ラー」の麺が使用されていたので、思わず期待が高まるところ。ちなみに香りは実に芳ばしく、サバ臭いとかイワシ臭い感じではなくて――あ、鹿児島の薩摩揚げ(さつまあげ)っぽい芳ばしさが近いかも。あくまで注湯前のイメージですが、魚のすり身を揚げたような芳ばしい香り。
さて、完成です。ところでEPA217mgって多い? 少ない? についてなんですけど、1日あたりDHAとEPAを合わせて1,000mg以上摂取することが望ましいとされているため、そんなに大した量ではありません(※参考までにイワシ100gあたりDHA568mg / EPA690mgなので、中くらいの鰯1尾でOK)。
ただ、カップ麺のパッケージにEPAの文字があるだけで面白みがありますし、なかなかクセのある(いい意味で魚の)香りが漂っているので、けっこう期待できそうですよ。それでは、いわし風味つみれの出来やサバだしの効かせ方、玉ねぎの存在感にも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(68g)当たり
熱 量:314kcal(カロリー) |
EPA:271mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
丸刃でカットされた縮れのある中細麺で、もしかするとノンフライ麺に見紛う「和ラー」クオリティの油揚げ麺が採用されているのではないか――と、地味に期待していたのですが、ぜんぜん別物。原材料名は小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、粉末卵まで同じ成分・同じ内容なんですけど(「和ラー」にはプラス “チキンエキス” を配合)、いたって中庸的な油揚げ麺です。
食べ始めは張りのある肌質にプリッとした歯切れの良さが心地よく、いかにも油揚げ麺らしい食感に加えて風味もスナック的ですが、ある意味これはこれで本物のラーメン店では味わえない、カップラーメンならではの魅力。再現カップ麺には向かないけれど、ちょっと強めの塩気が麺の芳ばしい甘みを引き立てていて、取り合わせとしては悪くありません。
ここはビシッと「和ラー」クオリティで本格的に仕上げてもらいたかった思いもありますし、軒並み基礎クオリティの高い「セブンプレミアム」という一定のハードルがあるので、急に安っぽく思えなくもありませんが、実際にコンビニでの実売価格は税込138円の安いカップ麺。量は50gと少なめで、後半ちょっと塩気の強さに押され気味ではあったものの、サクッと食べられる軽さが魅力ですね。
スープ
けっこう魚粉が多く、ベースにはイワシ節特有のシャープな旨みも並行していますが、重心の低い膨よかな鰹節の芳ばしい旨味とは違う、もうちょっと穏やかな鯖節特有の甘みとコクが個性的で、きちんと鯖節の個性を表現。けっこう体感的な塩気はキリッと強く、日本料理に通じる技術で出汁を取ったというよりも、バッと魚粉でパンチを効かせたラーメンスタイルのスープです。
そして個性的だったのが、昆布や椎茸など “他の和風出汁を使っていない” こと。だいたいこの手のスープは旨味の相乗効果を図るために椎茸または昆布、あるいは両方を組み込んでくるパターンが定番なのですが、今回は動物系と魚介系のみを軸にし、野菜エキスさえ使用していません。けっして手抜きとかではなく、あえて他の出汁は封印し、とことん魚介を強めているように感じました。
そんなベースのスープは魚粉を中心としたパンチを打ち出しながら基本は乾物が主体なので、魚特有の青い癖は目立ちませんが、そこに一癖与えてくれるのが別添の調味油。中身は植物油脂や魚油、豚脂、調味油脂あたりで構成されているものと思われますが、豚脂(ラード)と魚油(フィッシュオイル)が効果的で、動物系の厚みが深まるとともに青魚の脂に通じるコクが実に面白いですね。
生臭いほどではありませんが、魚粉がダメな人はダメ、魚粉はオッケーでも魚系のオイルがダメな人は無理しないほうがいいかも‥‥と言えるだけの癖はありました。旨味の方向性は横広がりではなく縦、そんな力強さの中で柚子の香りが見え隠れしているのですが、柚子の繊細なアクセントに気付いた時、スープがパッと華やかになるのも見どころです。柚子、探してください。
具材
まず魚肉練り製品(いわし風味つみれ)ですが、「和ラー」シリーズにも使われているプリッとした食感のエビ風味だんごに似た歯触りで、魚のすり身を団子状に摘み入れているのではなく、いくつかの細い繊維を組み合わせてボール状にしているような状態。なので摘入っぽくはないのですが、イワシ風味は面白く、魚介の効いたスープとよく合っています。ただ、鰯らしからぬ食感なので、ちょっとギャップはあるんですけどねw
そして原材料名には「フライドオニオン、魚肉練り製品、玉ねぎ、ねぎ、唐辛子」と玉ねぎ具材が2種類表示されているのですが、正方形の玉ねぎが「フライドオニオン」で、上の画像に写っている小さな具材が「玉ねぎ」。見た目ではフライドオニオンのほうが存在感ありますけど、フライドオニオンはカリッカリの芳ばしいトッピングではなく、柔らかくて甘みを帯びた優しいテイスト。
対する小さな玉ねぎはシャッキシャキの食感とシャープな香味が特徴的なタイプで、何気に量も多く、主役級の存在感でした。ちなみに今回のカップ麺は2つチェックしていたんですけど、片や「いわし風味つみれ5個+玉ねぎ多め」(今回の記事に掲載している写真の個体)、片や「いわし風味つみれ6個+ちょっと玉ねぎ少なめ」と重量計測による誤差が生じていたのですが、つみれの数はパッケージのイメージ写真的にも4個~6個が平均になりそうですね。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4.9)
軒並みハイクオリティでコストパフォーマンスにも優れている「セブンプレミアム ○○たくさん」シリーズからの新作カップ麺ということで、もうちょっと麺にもこだわってほしかった思いから、やや総評は厳し目に見ているかもしれません。けれどもスープについては素直にオススメしたい作り込みだったので、 “買い” か “スルー” かの二択でいえば「買い」の一杯です。
ちょっとスープのトロミが蛇足的にも思えたのですが、塩気のキレも含めてサバとイワシが拮抗する力強いスープは縦型ビッグに匹敵する飲み応えがあり、魚介の強さも魚粉や魚油が苦手な方は近付かないほうがいいレベルに達していたので、逆に魚系ラーメンが好きな方は最寄りのセブンイレブンをチェックしてみてください。お召し上がりの際は、柚子のアクセントに注目です。